日韓ライフサイエンス分野における新たな一歩
2023年10月16日、アイパークインスティチュート株式会社(以下、アイパークインスティチュート)は、韓国のKorea Biotechnology Industry Organization(KoreaBIO)との間で、ライフサイエンス分野における協力を促進するための覚書を締結しました。これまでアイパークインスティチュートは、政府系団体との提携を重ねてきましたが、今回の覚書は韓国の民間団体との初めての協力契約となります。
この覚書には、両組織のネットワークを活用しながらスタートアップ支援のための実践的な協業や共同プログラムを推進するという重要な目的が示されています。具体的には、日韓ビジネスマッチングプログラムの共同実施や韓国スタートアップへの支援、さらにはオープンイノベーション活動のプロモーションなどに取り組むことが盛り込まれています。
この覚書は、10月15日から17日までソウルのCOEXで開催中の「BIOPLUS-INTERPHEX KOREA 2025(BIX 2025)」のイベント期間中に締結され、多くの関心を集めました。アイパークインスティチュートもこのイベントに参加し、日本のバイオ産業戦略や国際的なパートナーシップモデルについての講演を行いました。
Open Innovation Challengeの開催
さらに、10月17日には「KoreaBIO × Shonan iPark Open Innovation Challenge 2025」を共催し、韓国の有望なスタートアップ13社と日本の製薬企業2社との1対1のパートナリングミーティングが実施されました。これにより、韓国の革新的なスタートアップが日本市場へ進出するための道が開かれ、多くのビジネスチャンスが生まれることが期待されています。
アイパークインスティチュートの代表取締役社長、藤本利夫氏は、今回の覚書に関して「韓国のバイオ産業は急成長を遂げており、国際的に競争力を持つ重要なパートナーである。これを契機に、両国の戦略的な連携を強化し、ライフサイエンスの革新的なイノベーションがアジアから世界に広がることを期待しています」とコメントしました。
一方、KoreaBIOの副会長Seung-kyou Lee氏も、「本協定により、日本と韓国のバイオ産業間でのパートナーシップが強化されることを期待しています。特に、韓国のスタートアップがグローバル市場に進出するための支援につながるでしょう」と述べ、両国間での協力関係の重要性を強調しました。
アイパークインスティチュートの事業概要
アイパークインスティチュート株式会社は、神奈川県藤沢市に本社を置き、産業ファンド投資法人(IIF)や武田薬品工業株式会社、三菱商事株式会社を主要株主として2023年4月に事業を開始しました。主に湘南地域のヘルスイノベーションを加速するための取り組みを行っており、産官学の連携を強化する場として機能しています。
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)は、製薬企業が立ち上げた独自のサイエンスパークとして、日本初の試みを行っています。ここでは、製薬企業のみならず、次世代医療、細胞農業、AI技術を活用した企業が集まり、約190社、2500人の規模でエコシステムを形成しています。
おわりに
アイパークインスティチュートとKoreaBIOとの提携は、日韓のライフサイエンス業界にとって新たな未来を切り開く契機となるでしょう。両国の技術やイノベーションを結集し、グローバル市場へ進出することで、さらなる発展が期待されています。