スタートアップ・中小企業向けの脱炭素経営支援の新たな試みとは

脱炭素経営支援の新たな取り組み

近年、企業にとって脱炭素経営は喫緊の課題となっています。特に、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、大企業のみならずスタートアップや中小企業もGHG（温室効果ガス）削減に取り組まなければならない状況が広がっています。これを受け、公益財団法人名古屋産業科学研究所（中部TLO）は、産学連携を通じた支援機関として新たな脱炭素経営支援を開始しました。

中部TLOの支援内容

中部TLOは、環境省に認定された脱炭素アドバイザーアドバンスの資格を持つ専門家が、スタートアップや中小企業のさまざまなニーズに応えていきます。主な内容は以下の通りです。

GX教育と情報発信

企業や大学と連携し、カーボンニュートラルの重要性や国内外の環境政策について情報提供を行います。さらに、GX人材の育成を進めるために、企業や大学に直接出向き、教育や研修を実施します。これにより、企業が脱炭素経営を理解し、実践するための知識を提供します。

GHGの算定

スタートアップや中小企業は、取引先企業からの要求に応じて、SCOPE1やSCOPE2のGHG算定を行うことが求められています。中部TLOでは、企業が自社のGHG排出状況を把握し、さらに企業価値向上を目指したSBT（Science Based Targets）の取得に関する支援も行います。

資金調達のサポート

GXに関わる活動には相応の投資が必要です。そこで中部TLOは、補助金や助成金を活用した資金調達を支援します。特にスタートアップにおいては、官からの資金のみならず、ベンチャーキャピタルからの支援を受けやすくするため、革新的な研究プロジェクトの立案をサポートします。また、中小企業に対してはその強みを活かした補助金誘導や事業計画の支援を行います。

公益財団法人ならではの特長

中部TLOは、国や研究機関との豊富なネットワークを活用し、企業のニーズに寄り添った支援を低コストで提供します。特に、カーボンネガティブの実現を目指す企業には、高度な技術を持つ大学研究者とのマッチングを図り、必要な技術を提供することが可能です。

脱炭素経営の魅力

脱炭素経営を実践することで得られるメリットは多岐にわたります。GHG削減により省エネルギーを実現し、顧客やサプライチェーンからの評価を向上させることができます。また、新しいサービスや製品の開発も促進され、そのための資金調達につながる可能性があります。企業が脱炭素に取り組むことで、環境意識の高い人材の確保にもつながるでしょう。