八芳園が贈る新たな空間:メインロビーの組子細工
2025年10月にグランドオープンする八芳園が、リニューアル工事の進捗を公開しました。八芳園は、そのユニークなのは「日本の、美意識の凝縮」をテーマに、400年の歴史を持つ庭園を活かす形で改修工事を進めています。
新設されるメインロビーでは、福岡県大川市の伝統工芸である“組子”と八芳園の美しい庭園が融合した空間が創造されます。このメインロビーの大きな魅力の一つが、組子職人の木下正人氏と水墨画家の小林東雲氏のコラボレーションによる、高さ約4メートルの組子細工です。このプロセスが、八芳園の公式YouTubeチャンネルで初めて公開され、視覚的にも楽しませてくれています。
新たなメインロビーの特徴
八芳園が進めるリニューアルプロジェクトでは、単なる改装ではなく、より日本の美意識を凝縮した空間づくりが目指されています。メインロビーは、八芳園の伝統的な庭園を象徴する場所として、細部に至るまで細緻にデザインされています。特に注意を期しているのが、木下氏によって製作される組子細工。これにより、庭園の壮大な景色や繊細な美しさが表現されることになります。
組子、つまり木製の部品を組み合わせて模様を作る技術は、飛鳥時代に遡る長い歴史を持っています。木下正人氏の職人技により、これらの細工はただの装飾ではなく、深い文化的意味を持ったアート作品へと昇華します。
職人の技と美意識
木下氏は、大川市の生まれで、以来40年のキャリアを誇る組子職人です。大川市は家具作りで有名な地域で、木下氏もその家系に生まれ、独立後には多くのプロジェクトに関わってきました。さらにが、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の内装を手掛けた実績も持ち、彼の技術は高く評価されています。
今回のメインロビーの施工は、特に彼にとって挑戦的なプロジェクトとなっているようで、4メートルの高さに加え、非常に細かい模様が求められています。木下氏は特に、松の木やその他の自然物を美しく表現することについて試行錯誤を重ねているとのことです。
そして、その中でも「太陽」のデザインには特別な技術が光ります。直径約1メートルの大きな太陽には、日本の伝統文様「八重麻の葉」が使用されており、その緻密さから実現が難しいとされるデザインです。しかし、木下氏はこの文様を用いて太陽全体に細かくあしらい、八芳園の庭への光の象徴として美しく仕上げることを狙っています。
今後の展望
八芳園は、2025年のグランドオープンに向けたリニューアルプロジェクトを続けており、職人の努力や制作過程を映したストーリーや動画がYouTubeやnoteで随時公開される予定です。日本庭園と新たな建物とのつながりをより密にした新しい空間が、訪れる人々に感動を与えることでしょう。
皆さんもぜひ、八芳園の公式YouTubeチャンネルでその制作過程を見て、伝統の美しさや職人技に触れてみてはいかがでしょうか。