2024年度 小中高生の学習実態調査が明らかに
2024年、学研教育総合研究所から発表された小学生、中学生、高校生を対象とした学習実態に関する調査結果がさらに深く掘り下げられ、教育現場や家庭での学びに関する Trendsを伺わせます。調査には「好きな教科」「生成AIの利用」「探究学習」「長期の欠席」など、幅広いトピックが含まれており、現代の教育実践における様々な側面を浮き彫りにしました。
好きな教科ランキング
調査結果では、小学生の好きな教科の1位は引き続き「体育」で、続いて「算数」や「図画工作」が上位にランクインしました。また、中学生と高校生の共通の一番好きな教科は「数学」である一方、嫌いな教科もトップは「数学」となっています。この傾向は、教育内容や学習へのアプローチ方法に影響を与える可能性があります。
特に、小学生の嫌いな教科のランキングでは「算数」が圧倒的な数字で1位。これは、日本国内の教育現場で数学に対する苦手意識が根強いことを反映していると言えます。中学生では、「英語」や「国語」が嫌いな教科として目立っており、特に国語は日本語の理解と表現力に関わる重要な科目でもあります。
生成AIの利用状況
最新の調査では対話型生成AI(例: ChatGPT)の利用状況も取り上げられています。小学生の17%、高校生の28%が学校で利用した経験があり、家庭では小学生の18%、高校生の40%が利用していることがわかりました。これは前回調査と比べ、特に小学生での利用率が上昇している点が注目されます。生成AIの導入は、学習方法や家庭学習のスタイルにあらたな変革をもたらす可能性があります。
欠席の傾向
長期的な欠席の実態についても言及があり、小学生の26%、中学生の45%、高校生の29%がクラスに長期間欠席している人がいると回答しました。中でも中学生はその割合が特に高く、体調不良や精神的な要因が影響している可能性があります。やはり、学年が上がるにつれて欠席の傾向が高くなる様子が伺え、高校生では下の学年が高くなるという興味深い傾向が発表されています。
小学生の調査結果
1. 体育
2. 算数
3. 図画工作
4. 国語
5. 音楽
1. 算数
2. 国語
3. 体育
4. 外国語活動/外国語
5. 図画工作
中学生・高校生の調査結果
中学生では、好きな教科が「数学」、嫌いな教科も「数学」との両方で1位を占めており、これは課題の難易度や教師の指導方法についての考察が必要です。同様に、高校生でも数学が1位という結果が出ており、それに続く地理歴史、保健体育も高い評価を得ています。
また、進学希望者が重視するポイントとして、「学びたいことが学べる」という条件が最も重要視されており、資格取得や就職の条件も関心が高いことが示されました。この傾向は、未来の職業に必要なスキルや知識への意識の高まりを反映しているのでしょう。
結論
このように、2024年度小中高生の学習実態調査の結果から、教育現場で求められるアプローチや支援の方法について多くの示唆が得られます。数学に対する苦手意識や、生成AIの利用がもたらす可能性、欠席者の割合といった点が教育方針にどう結びつくか、さらなる研究と実践が期待されます。これらの結果は、今後の教育改革や指導法の改善に役立つ情報として重視されるべきです。