三井ダイレクト損保がAI導入で顧客体験を大幅向上
三井ダイレクト損害保険株式会社(以下、三井ダイレクト損保)が、カスタマーサポート特化型のAIを提供するカラクリ株式会社と連携し、AIボイスエージェント「KARAKURI voice agent」を導入しました。これにより、顧客のマイページへのログインに関する問い合わせを24時間365日、自動で対応する体制が整いました。自動応答の効果が早くも実績として現れ、導入から数ヶ月で苦情がゼロという結果を出しています。
導入の背景と課題
近年、三井ダイレクト損保は契約件数が100万件を突破し、それに伴い顧客との月間接点数は8万から9万件に達しています。その中で約65%を占める電話チャネルの対応強化が急務となりました。特に2024年7月に予定されているウェブサイトリニューアルによるパスワード要件変更が発表されると、ログインに関する問い合わせが急増し、月に5,000件にも達しました。平均応対時間が10分に達する中、高齢者を中心に丁寧な対応が求められました。そこで、同社はカラクリのボイスエージェントを導入する決断を下しました。
ボイスエージェントの導入効果
「KARAKURI voice agent」は、顧客がログイン時に直面する問題の解決をサポートします。AIは顧客の状況をヒアリングし、必要な手順をステップバイステップで案内。過去には、営業時間外の問い合わせに対しては「ただいま営業時間外です」としか伝えられなかったのが、今では自己解決の機会を提供できるようになりました。2026年5月時点では、夜間の問い合わせにおける解決率が52.7%に達しています。
デジタルデバイドの解消
三井ダイレクト損保は、デジタルデバイドを解消する取り組みの一環として、幅広い年齢層に対応しています。AIとの対話が苦手なユーザー層に対しても、双方が快適に会話できる環境を提供。特に、60〜70代の顧客層でもAIとスムーズにやり取りを完了するユーザーが増えており、拒否反応は少なく、非常に好評です。
技術的なアプローチ
カラクリのAIは、誤った情報案内のリスクを抑えるために、業界特有のRAGアーキテクチャを活用しています。データのナレッジソースを社内の情報に限定することで、正確な回答を提供。また、従来のテキスト変換を介さない音声対音声の方式を採用しているため、会話が自然で流れるような品質を実現しています。これにより、顧客が発話を途中で止めても、適切に待機し、自然な会話を続ける能力を備えています。
今後の展望
三井ダイレクト損保は、2026年9月に二段階認証(2FA)を導入する予定です。この新しい課題に対し、AIボイスエージェントのさらなる進化と顧客体験の向上に期待されています。顧客センター部の和田マネージャーは、「すべての顧客が安心して利用できるサービスを提供し続けたい」と意欲を見せています。このように、AIを用いた顧客サポートは、今後ますます重要な役割を果たすことでしょう。
詳しくは
カラクリ株式会社の公式サイトをご覧ください。