ビフィズス菌M-63が新生児に与える影響
森永乳業が長年にわたり実施してきた基礎研究の成果として、ビフィズス菌M-63が新生児の腸内環境に良い影響を与えることが、松本市立病院との共同研究によって明らかになりました。この研究は、特に正期産児における腸内炎症の軽減効果について焦点を当てています。
1. 研究の背景
ビフィズス菌M-63は、母乳に多く含まれている成分との相性が良く、乳児の腸内環境や健康へポジティブな影響をもたらすと考えられています。それに基づいて、新生児における腸内の炎症状態の抑制効果を調査することが本研究の目的でした。
松本市立病院との共同で行われたこの研究は、111名の健康な新生児を対象に、ビフィズス菌M-63の摂取がどのように腸内細菌やサイトカインに影響を与えるかを評価しました。具体的には、生後1週から3ヶ月の間、1日あたり10億個のビフィズス菌M-63またはプラセボを摂取させ、その効果を明らかにしました。
2. 研究方法
研究は、正期産の健常な新生児を対象とし、無作為二重盲検法を用いて実施されました。これにより、ビフィズス菌M-63が腸内環境に及ぼす影響を詳細に分析しました。評価項目には、腸内細菌の分析や便中のサイトカインの測定が含まれています。
3. 研究結果
研究の結果、ビフィズス菌M-63を摂取したグループでは、腸内の炎症誘発性サイトカインが減少するという結果が得られました。特に、インターフェロンγやインターロイキン1βといった指標の低下が観察され、腸内環境が改善されたことが示されています。また、腸内細菌叢の解析からは、ビフィズス菌が優勢な状態が多く見られ、抗炎症物質であるインドール-3-乳酸の増加も確認されました。
4. 今後の展望
ビフィズス菌M-63に関する今回の研究成果は、今後の製品開発や市場展開にも繋がるものと期待されています。特に米国では一般食品としての安全性が認められ、また中国でも新食品原料として登録されており、海外市場への進出が見込まれています。森永乳業は、引き続き消費者やパートナー企業に対して、ビフィズス菌M-63の特長やその健康効果について正しい情報提供を行い、さらなる応用の可能性を広げていく考えです。
5. 結論
ビフィズス菌M-63の研究結果は、赤ちゃんの健康を支える新たな知見として大変意義深いものとなりました。森永乳業は、今後もこのような革新的な研究を通じて、多くの人々の健康づくりに貢献していくことを目指します。