日立が発表した新クラウドサービス
概要
株式会社日立製作所(以下、日立)は、企業システムの自律性を確保しつつ、モダナイズを促進する新しいクラウドサービス「Hitachi EverFlexクラウドサービス」の提供を、2023年12月19日より段階的に開始します。この新サービスは、近年増大する地政学的リスクや経済安全保障推進法の影響を受け、企業が安定したシステム運用を維持しつつ、技術の進化にも対応できるように設計されています。
企業が直面する課題
最近の市場では、クラウドサービスの利便性が日々増していますが、同時に企業の重要な情報を扱うシステムでは、緊急時におけるリスクが顕在化しています。クラウドサービスの利用に伴うブラックボックス化リスクが明らかになり、それに対抗するための自律性の確保が企業にとって重要な課題となっています。日立は、この課題に応える形で、企業がIT基盤を主体的に選択できる新しいクラウドサービスを展開します。
新サービスの特長
自律性の向上
日立は長年、金融、電力、交通などの社会インフラを支えてきた豊富な運用経験を活かし、自社やパートナー企業、OSSの技術を柔軟に組み合わせて、企業が安定してシステムを統制できる自律性を支援します。このサービスは、透明性の確保と説明責任を強力に支援する各種運用サービスを備え、緊急時の対応や監査対応のニーズに応えます。
さらに、データの機密性を確保するための暗号化技術やランサムウェア対策が施されたバックアップ機能も提供され、企業のデータを保護します。
柔軟性のある利便性
日立の技術者は、クラウドやAIといった新技術を適切に導入する専門性を持ち、企業システムのモダナイズやAIによる運用効率化を推進します。特に、利用状況を可視化するためのセルフポータルの改善が行われ、必要なリソースの瞬時の拡張が可能です。
多様な選択肢の提供
新サービスでは、企業の業務要件に応じて、プライベートクラウドおよびマルチテナントクラウドを選択することができます。また、KVMやHyper-V、OpenShiftなど、信頼性と運用性を強化した複数の仮想化環境が提供され、企業はそれぞれのニーズに適した環境を選ぶことが可能です。
パートナー企業との連携
特に、日立製作所とNTTデータの協力により、KVMの仮想化環境ではNTTデータの「Prossione Virtualization®」と日立独自の高信頼化Linux技術を組み合わせた新しい運用形態が導入される予定です。これにより、企業は長期的かつ安定したシステム運用が実現されることでしょう。
今後の展望
日立製作所は、今後も多様なニーズに応じたサービスの拡充を図り、国内法規制への対応強化、企業データの保護、AIによる運用の効率化や高度化に挑戦し続けます。特に、業界の変化に迅速に適応し、持続可能な成長に貢献することを目指しています。
日立の新クラウドサービスは、企業がデジタル変革を推進する上での強力なパートナーとなり、自律的かつ柔軟なIT基盤の構築を支えるものと期待されています。