視覚障害者のための新しい支え
視覚障害者スポーツの発展には、選手が自分自身で移動できる環境の整備が不可欠です。この要望に応える形で、大阪を拠点にしている錦城護謨㈱が展開するゴム製歩行誘導マット『歩導くんガイドウェイ』が注目を集めています。
ゴム製誘導マット『歩導くんガイドウェイ』の誕生
錦城護謨は、2023年7月28日に東京・講道館で行われた第17回全日本視覚障害者学生柔道大会において、『歩導くんガイドウェイ』を提供し、選手の移動をスムーズに支援しました。講道館では道場からトイレに至る約35メートルの区間にこの誘導マットが設置され、選手たちが試合に集中できる環境を作り上げています。
選手の一人である半谷静香選手や瀬戸勇次郎選手も会場に駆けつけ、選手たちにエールを送り、競技を盛り上げました。錦城護謨の活動は、視覚障害者が自立したスポーツライフを送るための重要な基盤となっています。
利用の利便性とユニバーサルデザイン
『歩導くんガイドウェイ』は、2015年の発売以来、全国で1200か所以上に導入されてきました。このマットは、視覚障害者が目的地へ安全に移動できるための設計が施されています。具体的には、白杖で叩いたときの音、触れたときの感触によって道を認識できるようになっています。また、表面に凹凸がないため、つまずくリスクが少なく、車いす利用者や高齢者にも配慮されている点が特徴です。
さらに、このマットは簡単に設置できるため、既存の建物の床材に柔軟に対応することも可能です。このように、すべての人が快適に移動できるように設計された『歩導くんガイドウェイ』は、単なるスポーツ用のアイテムにとどまらず、ユニバーサルデザインの象徴とも言えます。
今後の展望
錦城護謨は、今後もスポーツ環境の整備に注力し、特にゴールボール協会との連携を深めています。次回は10月27日に行われる第39回全日本視覚障害者柔道大会にも『歩導くんガイドウェイ』が設置される予定です。この活動を通じて、全ての人が自由に移動する環境作りを進めています。
受賞歴
この製品は、数々のデザイン賞を受賞しており、iF DESIGN AWARD 2016などの国際的な評価も得ています。これらの実績が、錦城護謨の技術力と製品の信頼性を証明しています。
会社の紹介
錦城護謨は創業88年を迎える老舗企業で、国内でトップシェアを誇るゴム部品の製造メーカーです。今回の『歩導くんガイドウェイ』は、様々な製品群の中でも特に注目されており、将来的には国際市場への展開も視野に入れているとのこと。今後の活動に大いに期待が寄せられます。
これからも錦城護謨は、視覚障害者の移動を支援する製品を通じて、スポーツと社会の橋渡しとなることを目指していきます。