新潟市の除雪作業を革新するSRSS実証実験
新潟市は、除雪作業の効率化と担い手確保を目的とした除雪支援システム「SRSS」の実証実験を1月29日から開始しました。この取り組みは、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社のグループ企業であるAxyzが中心となり、高精度3次元地図を活用した最新技術の導入を目指します。
実証実験の背景
新潟市では、毎年約5,000kmの道路が500社以上の除雪事業者と1,000台を超える除雪車によって除雪されています。だが、近年は除雪オペレーターの高齢化が進行しており、熟練者の引退や事業者の撤退が相次いでいます。このため、経験の浅いオペレーターへの技術継承が難しくなり、担い手の不足が深刻な問題となっています。
SRSSとは
SRSSは、路肩や道路上の障害物など、雪に隠れた情報を高精度3次元地図に集約し、除雪作業を行う車両にリアルタイムで投影してガイダンスを行うシステムです。これにより、除雪作業の安全性と効率性が向上することが期待されています。
実証実験の概要
実証実験は2025年の1月29日から3月15日まで実施され、新潟市江南区の特定の道路区間で行われます。対象となるのは、SRSSを搭載した除雪グレーダー2台を使用した除雪作業で、その効率化についてデータを収集・分析します。また、このシステムを活用することで、若手オペレーターへの技術習得のスピードアップや地域のノウハウ継承が進むことが期待されています。
新たな取り組み
Axyzはこれまでも様々な地域でSRSSを活用した除雪支援に取り組んできましたが、今回の実証実験は特に新潟市の地域特性を考慮した実施となっています。地域の皆さんと連携し、早期の技術習得を促進することで、今後の除雪作業の担い手を確保していく考えです。
またSRSSでは、自動運転車向けに開発された高精度3次元地図及び自己位置推定技術を用いて、GNSS受信機からの高精度位置情報を活用します。これにより、除雪作業の安全性を確保し、効率的な作業を実現します。
未来の展望
ダイナミックマッププラットフォームAxyzは、今回の実証実験を通じて除雪に関する課題解決に向けて努力を重ねていく予定です。この技術は他の地域にも応用可能であり、将来的には全国的な除雪業務の改革へと繋がることが期待されています。
次世代の除雪システムが新潟市でどのような成果を生むのか、今後の展開に注目が集まります。