マイナビ出版が海外市場に挑む
株式会社マイナビ出版は、海外出版市場に新たに足を踏み入れることを発表しました。位置付けとして、最初のターゲットに選ばれたのはドイツです。ドイツはヨーロッパ最大の出版市場を持ち、日本文化に対する関心も高いため、同社は自社で発行した書籍を流通させる体制を整えました。
これまで、マイナビ出版は現地出版社との契約を通じて翻訳出版を行っていましたが、現地との接点を持つことで自社コンテンツを直接提供できる機会を手に入れたのです。その第一歩として、ドイツに販売代理店を設け、現地の試みに挑戦することとなりました。
ドイツでの取り組み
2025年6月、ドイツのデュッセルドルフで行われる「DoKomi(ドイツコミックマーケット)」に出展する予定です。これは、日本のポップカルチャーを紹介する大規模なイベントであり、2万人以上が来場する見込みです。この場を借りて、自社の強みであるイラスト関連書籍を展開し、現地の読者との接点を増やすことが期待されています。
出展では、以下の書籍ラインナップを予定しています:
- - Manga besser zeichnen Figuren & Kompositionen (著者: ダテナオト、弐藤潔)
- - The Best of Everything! Master The MANGA Drawing Techniques (著者: KawaiiSensei)
これらの作品は、日本での成功を収めたため、ドイツ市場でも需要が見込まれています。
新たな発信
また、マイナビ出版は、DoKomiとの共催でイラストやマンガコンテンツの投稿コンテストを開催する計画です。最優秀作品には、Nicole Wisniewski氏のイラストが選ばれ、今後彼女の作品集を日本で電子出版する予定です。このように、同社は海外のクリエイターの才能を見出し、それを日本に紹介する架け橋の役割も果たそうとしています。
マイナビ出版の思い
マイナビ出版の経営推進部部長、小山氏は「日本は出版不況といわれる中でも、自社の内容が世界に通用することに誇りを感じている」と述べました。ドイツ市場で直接自社のコンテンツを流通させる仕組みを整えた喜びを語りつつ、アジア圏に比べてヨーロッパ市場は厳しいとも感じているとのことです。
"この挑戦は小さな一歩かもしれないが、志を同じくする方々と共に、日本の素晴らしい出版物をドイツ市場へ供給できるムーブメントを育てたい"と述べ、グローバル展開への期待感を示しました。
今後も、日本の文化やコンテンツを世界中に紹介し、必要とされる読者に届けていくことを視野に入れ、マイナビ出版はさらなる展開を計画しています。これからの同社の進捗にも目が離せません。