DNPの「市谷の杜」が地域のオアシスに
大日本印刷株式会社(DNP)が手がける「市谷の杜」は、2024年9月に東京都新宿区の本社敷地内で、公益財団法人都市緑化機構の「SEGES 都市のオアシス」の認定を更新しました。この認定は、快適で安全な都市緑地を提供するための取り組みが評価された結果です。2023年現在、日本国内では47か所がこの認定を受けていますが、「市谷の杜」は2018年からこの地位を保持しています。
「市谷の杜」の生い立ち
「市谷の杜」は、DNPが進める都市再開発の一環として誕生しました。このプロジェクトでは、人工地盤上に設けられた有効空地を利用して、かつて武蔵野に広がっていた雑木林を再現しています。2015年には約6,000m²が緑化され、2023年にはさらに9,000m²が追加され、落葉広葉樹や常緑樹が織り交ぜられた多様性に富んだ森が育てられています。
DNPでは、専門家による管理に加え、社員が日常的に観察し、維持管理を行っています。この取り組みは、植栽のタイミングを見極めたり、効率的な管理を行ったりするために役立っています。
環境省認定の新たなステージ
この「市谷の杜」は、2023年10月に環境省から「自然共生サイト」として認定されました。また、2024年8月には、地域や企業によって生物多様性の保全が図られている土地として、国際的なデータベース「OECM」に登録される予定です。
こうした取り組みを通じて、DNPは自然共生社会の実現を目指し、地域の人々とのコミュニケーションを深めながら「市谷の杜」をさらに発展させていく計画です。
SEGES 都市のオアシス認定の評価基準
「市谷の杜」が「SEGES 都市のオアシス」に初めて認定された2018年当初、その理由としては、以下のポイントが挙げられました。
- - 都市部で最大規模の緑化面積
- - 地域特有の在来種を用いた植栽
- - 社員による頻繁な維持管理
- - 地域住民向けの見学会の実施
そして今回の更新にあたり、次の点が特に評価されました。
- - 近隣の社寺や企業、大学などが協力し、地域の緑を日常的に楽しめる環境を提供していること。
- - 健康志向のニーズに応え、誰もが快適に利用できる緑地空間を設けていること。
- - 武蔵野の雑木林をイメージした森の再生を図り、環境保全に配慮した維持管理を実施していること。
DNPは今後とも、地域と連携しながら「市谷の杜」の理念を深め、持続可能な街づくりを推進していく意向です。さまざまな環境問題に直面する中、本プロジェクトが示す新たな緑のあり方は、多くの人に希望を与えるモデルケースとなることでしょう。