パナソニック株式会社の空質空調社は、次亜塩素酸水溶液が持つ強力な除菌効果に関する新たな検証結果を発表しました。具体的には、食塩水を電気分解して生成された次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、約25立方メートルの空間において、付着したA群溶血性レンサ球菌を60分で99%以上除菌することが確認されました。この結果は、空間の衛生状態を保つ新しい手法として注目されています。
次亜塩素酸水溶液は、さまざまな菌やウイルスに対する強い殺菌効果を持つとされています。その優れた特性は、1987年にパナソニックが導入したカップ型自動販売機の衛生管理システムにも見られ、以降、30年以上にわたり様々な衛生分野で活用されてきました。この間、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなど、最近の流行病に対しても効果があることが実証されています。
A群溶血性レンサ球菌は咳やくしゃみを通じて感染する細菌で、特に小児に多く見られる咽頭炎や皮膚感染症の原因となります。また、重症化すると壊死性筋膜炎といった深刻な合併症を引き起こす危険性も持っています。具体的な症例としては、発熱や喉の痛みといった初期症状が現れ、舌の赤みや体の発疹が見られる「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」や、多臓器不全を引き起こす「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」があります。
今回の検証では、次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分が、日常生活の中で直面するA群溶血性レンサ球菌を効果的に除菌する可能性が示されました。この発見は、家庭や公共の場における細菌感染の予防に向けて、新たな希望をもたらすものです。
なお、今回の結果は基本的な研究に基づいたものであり、次亜塩素酸水溶液を用いた製品そのものの効果を直接検証したものではありません。パナソニックは今後もこの分野での研究と開発を進め、より安全で衛生的な環境の提供に寄与していく方針です。詳細については
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