2023年4月12日、スウェーデン民族学博物館で発見された明治17年(1884年)の神田祭の貴重な古写真が、神田明神文化交流館B1 EDOCCO STUDIOで初めて公開されることになりました。このイベントは、日本の伝統文化や歴史に興味がある方々にとって特別な機会となっています。
神田祭はかつて江戸幕府に公認された年中行事で、「天下祭」と呼ばれ、多くの士族や町が自慢の山車を競い合いました。その中で特に有名なのが、連雀町から出された熊坂長範の人形山車です。この美しい山車は、多くの浮世絵にも描かれ、現在も神田明神に保存されています。当時の職人たちによって造られたこの山車の頭部は、貴重な文化財としてその価値を見出されています。
イベントの舞台である神田明神では、実際に熊坂長範の山車人形を展示し、参加者にその歴史的背景を感じてもらいます。講師には日本の人形文化に精通する是澤博昭先生が登壇し、江戸時代の神田祭に関連する文化やその歴史的価値について詳しくお話しされます。
昨年、スウェーデン民俗学博物館に、明治17年に撮影された神田祭の古写真が収蔵されていることがわかりました。その中には、熊坂長範の山車の撮影も含まれており、この講演会ではその貴重な古写真群が初めて一般に公開されます。したがって、来場者は江戸の文化を継承する明治の神田祭の当時の熱気を写真を通じて感じることができるでしょう。
さらに、特別ゲストとしてスウェーデン国立世界文化博物館の学芸員、ヤンセ・ヘルガ氏もオンラインで参加する予定です。彼の視点からは、スウェーデンと日本の文化交流における重要性や、古写真の保存についての知見も得られるでしょう。
神田祭の古写真が私たちに伝えるのは、単なる視覚的な記録だけではありません。それは、時代を超えた文化の交流と、地域の人々が育んできた伝統の象徴です。この貴重な機会を逃すことなく、是非、会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。神田明神の会場では、多くの参加者と共に、日本文化の豊かさを感じることができます。