スマート農業の現実に迫る冊子が発行
エゾウィン株式会社が、新たな冊子「実際どうなの?スマート農業の現場vol.1」を発表しました。この冊子は、同社のプロダクト「レポサク」を利用している農業関係者の声を集約し、スマート農業の実態を深く掘り下げる内容になっています。2024年11月28日まで東京ビッグサイトで開催される技術交流展示会「アグリビジネス創出フェア2024」において、ブース前で無料配布される予定です。
現場の声を集めた貴重な冊子
冊子作成にあたっては、2024年10月から11月にかけて北海道内でレポサクを導入している4事業所や個人農家を訪問。スタッフが現場の実態を取材し、飼料用デントコーンの収穫時期や、次のシーズンに向けた畑の準備をしながら、多忙な農家の方々から率直な意見を伺いました。
酪農のコントラクターは、広いエリアで点在する牧草地やデントコーン畑の作業進捗を確認するためにレポサクを導入。これにより作業車両の位置情報がリアルタイムに表示され、チーム内での情報共有がスムーズになりました。担当者は「仕事の効率が大幅に向上した」とその効果を喜んでいました。
スマート農業の先進例
水稲で作る畜産飼料「稲ホールクロップサイレージ」(WCS)の生産農家との対話でも、レポサクの重要性が語られました。労賃精算のために詳細な作業記録を必要としている農家は、レポサクを使用して高精度な作業記録を自動的に収集しています。また、宇宙からの圃場分析技術である「リモートセンシング」を用いて生産性の向上にも取り組んでおり、レポサクのデータを活用しながら新たな共同作業のノウハウを模索しているそうです。
さらに、若手農家たちもレポサクを利用し、圃場の状況把握を強化。人口減少に伴い請け負う圃場が増える中で、適期作業を徹底しようとする姿勢がうかがえました。TMRセンターでは、集めたデータを活かしつつ、より良いエサ作りに向けた具体的な取り組みが進められているとか。
取材を通じての気づき
スタッフが北海道内を巡り、様々な農業現場での意見を聞く中で、農業従事者のこだわりや悩みがそれぞれ異なることを再認識しました。「スマート農業の技術が多すぎて、何を選ぶべきか分からない」という声もあり、特にアナログ世代にとって新しい技術導入に対する不安感があることも明らかに。
エゾウィンは、これらの現場の声を基に、さらなるプロダクト改善を進めていくとしています。取材にご協力いただいたすべての方々に感謝の意を表します。
冊子詳細と今後の展開
新刊の冊子はA4フルカラー、全12ページ。各地で配布される予定で、エゾウィンの公式サイトでも後日公開。今後は第2弾以降を発表し、北海道だけでなく本州の事例も紹介していく計画です。展示会「アグリビジネス創出フェア2024」も全国の農林水産・食品分野に特化したイベントであり、877名が参加予定です。この機会にスマート農業の最新技術を体感し、機関や事業者との連携を模索する良いチャンスです。