DNX Venturesの新たな挑戦
米国シリコンバレーと東京を拠点にするベンチャーキャピタル、DNX Venturesが新たに「4号USファンド」を完了させた。総額143百万米ドル(約217億円)で、これは米国市場におけるB2Bスタートアップへのさらなる投資を見込んでのものだ。
資金調達の背景
「4号USファンド」は、日本国内の事業会社16社からの出資を元に形成されている。具体的には、アズビル株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社、株式会社クラレなど、名だたる企業が名を連ねている。この資金は、米国外の成長企業へ積極的に投資され、特に革新的な技術を持つベンチャー企業への出資が重要視されている。
投資対象企業
新ファンドではすでに10社の米国スタートアップに投資が行われている。
- - Coalesce社: データ変換ツールに特化したSaaS企業。
- - Anthropic: AIシステム開発に注力する企業。
- - Crisp: データ連携プラットフォームを提供する企業。
- - Li Industries: バッテリーリサイクル技術を持つ企業。
- - Cofactr: サプライチェーン管理のプラットフォームを提供。
- - Knostic: 組織内の知識フローを制御するプラットフォーム。
- - Halcyon: ランサムウェア対策を行う企業。
- - Keychain: 製品製造プロセスの透明性を高める企業。
- - Mind Security: 内部脅威リスク管理ソリューションを提供。
- - Ubiq Security: APIベースの暗号化サービスを提供するSaaSプラットフォーム。
これらの企業は、今後の成長が期待される分野へそれぞれ特化しており、DNX Venturesが注力するB2B領域での成功が期待されている。
伴走型サポート
DNX Venturesは、出資した企業との『伴走型サポート』を特長としている。これにより、企業の成長を見守るだけでなく、事業提携や投資の調整を行うことで、双方向のイノベーションを促進している。
さらに、DPX Venturesは設立以来15年間、シリコンバレーを拠点にして、アーリーステージのスタートアップに対して積極的に投資を行い、累計241社へ出資してきた。この間、34社をエグジットに導くなど、その成果も明白である。
組織体制の強化
DNX Venturesは、USチームも強化している。Rickie KooがPrincipalからPartnerに、野村佳美がDirector of Growth & PartnershipsからPartner, Growthに昇格した。これにより、今後の投資活動と事業支援の両面でさらに体制が強化される。
まとめ
今後の展望としては、ディープテックやサイバーセキュリティ、AI、リテールテックなど、B2B領域での積極的な投資に加えて、出資企業のイノベーション人材育成や事業開発を支援していく方針だ。DNX Venturesの新たなファンドの動きは、国内外での起業家精神のさらなる促進となるだろう。