インテージが発表した生成AIの利用実態に関する調査
株式会社インテージが、生成AIの利用状況に関する複合的な調査結果を公表しました。この調査では、メディアログデータ、生活者アンケート、ビジネスパーソンアンケートを組み合わせ、生成AIの普及状況や、使用目的を明らかにしました。調査の結果、生成AIの利用率は徐々に上昇していますが、依然として全体の約1割弱という数字が浮かび上がりました。
生成AIサービスの現状
2024年9月の時点で、一般生活者の生成AIサービス利用率は8.6%となりました。この数値は2022年11月にChatGPTが登場して以来、首尾よく上昇していますが、直近1年間は横ばいの状態が続いていました。特に学生の利用率は46.8%と、全体に比べて高い水準を維持しており、学業において生成AIを活用する傾向が顕著であることがわかりました。特にテストやレポートが求められる時期には利用率が上昇し、逆に長期休暇の時期に利用が減る傾向にあります。
利用実態の深掘り
インテージでは、生活者2万人を対象にしたアンケートを通じて、日常生活での生成AI利用状況を調査しました。この結果、学生の約半数が生成AIを利用していることがわかります。一方、全体では生成AIの認知はあるものの、実際に利用経験のある生活者は少なく、生成AIが多くの人々にとってまだ馴染みのない存在であることが浮き彫りになりました。特に、企業や開発者にはこのギャップを埋めるために、利用者のニーズに合致したサービスや情報を提供することが求められます。
学生とビジネスシーンの比較
生成AIの利用目的について、生活者全体では「文章の作成・改善」「情報収集のサポート」「翻訳」「文章の要約」がよく利用されていることが明らかになりました。特に学生は学業関連の目的でこれらのサービスを多く活用しており、彼らの利用実態が全体の上昇を推し進めていると考えられます。
ビジネスパーソンの現状
ビジネスパーソンを対象にした調査では、生成AIを導入している企業はほとんどないことが確認されました。特に「導入の予定もない」と回答した者が6割以上にのぼり、ビジネスシーンでも生成AIの導入はまだ始まったばかりであることがわかります。導入に関しては企業規模が大きくなるほど、また役職が上位になるほど積極的な姿勢が見受けられる結果となりました。
職位による見方の違い
職位が高いビジネスパーソンは、生成AIの将来性に対して楽観的な見解を持っている一方で、一般社員との間には若干の意識の乖離が見られることが調査から明らかになりました。これにより、企業内でも生成AIの導入が一層進んでいく可能性が示唆されています。
調査結果の公開について
インテージでは、今回の調査結果を自社のコンテンツサイト「知るギャラリー」で順次公開していく予定です。今後も生成AIを活用した調査手法の開発を進め、さらなる深い分析を行う考えです。生成AIの利用実態調査は、今後のビジネスや教育現場における戦略に影響を与える重要な情報となるでしょう。