手書き離れが進む現代の若者たち
近年、手書きの重要性が薄れてきていると感じている人は多いのではないでしょうか。特に40代以下の世代においては、手書きの機会が明らかに減少し、世代共通の悩みとして「漢字を思い出せない」といった問題が浮上しています。株式会社クロス・マーケティングが実施した全国調査(2025年)により、この現象の実態が浮き彫りになりました。
調査の目的と方法
この調査は20歳から69歳までの男女を対象に、インターネットリサーチを用いて行われ、1,100の有効回答が収集されました。調査内容は「手書きに関するシーン」や「手書きの減少」など、現代の手書き習慣に関する多岐にわたる項目が含まれています。
手書き行為の実際
調査によれば、普段手書きをするという回答は79.4%に達しました。しかし、分けてみると20〜40代の世代では手書きをすることがほとんどないと感じている人が多く、特にデジタル化が進んだ影響が見られます。この世代では、実際に手書きをするイベントが日常のメモやスケジュールを記入することが多く、手帳やカレンダーに予定を書くことは全体の4割程度であることがわかりました。
一方、50〜60代の人々は、日常的に手書きが根付いているため、電話中にメモを取ったり、買い物の際にリストを作ることが一般的です。これは年齢が上がるにつれ、手書きの習慣が維持されていることを示しています。
手書きが減ったという意識
手書きが減ったと感じるシーンでは、「手紙を書く」「手帳やカレンダーに予定を書く」といった項目が特徴的です。特に「手紙を書く」という行為は、50〜60代の間で顕著に減少していることが調査結果から明らかになりました。
自分の手書きが気になる瞬間
自分の手書きについて気にする際のシチュエーションで多かったのは、「年賀状や手紙の宛名」や「ご祝儀袋・香典袋の表書き」でした。特にこういったシーンは年齢が上がるにつれ、より気にされる傾向があります。
漢字の記憶に関する悩み
調査結果の中で際立ったのが、「最近漢字を思い出せない」という意識です。この割合は全体で48.5%を占め、年代問わず1位の悩みとして浮上しました。20代では35.0%、60代では64.1%と、年齢が上がるにつれてその傾向が顕著になるため、デジタル社会の影響を実感せざるを得ません。
筆記用具の購入行動
筆記用具の購入場所についても興味深い結果が得られました。全体として「価格均一ショップ」「文房具専門店」「総合スーパー・スーパーマーケット」が上位を占めています。50〜60代では価格均一ショップへの依存が高く、20代では本屋が人気です。
まとめ
今や手書きは過去のものとなりつつあるのかもしれません。しかし、自分の字に価値を感じること、漢字を思い出そうとする努力こそが、手書き文化を継承する可能性を秘めているのではないでしょうか。デジタル化が進むこの時代、手書きの重要性を再認識し、伝統を守る努力をしていきたいものです。