ServiceNow Japanが発表した2025年度版 AI成熟度指数
ServiceNow Japanが2025年度版の「企業のAI活用成熟度指数」を発表しました。この報告書は、世界16か国の経営者やディレクターを対象に実施され、日本からは305人が参加しています。調査は、AIの活用成熟度を5つの指標で評価し、企業の現状を明らかにしました。
調査結果の概観
今回の調査結果によると、日本の企業のAI成熟度スコアは前年の43ポイントから33ポイントへと10ポイント低下しました。グローバルな平均も前年の44ポイントから35ポイントに低下しています。この低下は、AIの活用が進んでいるにもかかわらず、新しい技術の導入スピードが企業の導入能力を上回っていることを示しています。
それでも、調査に参加した企業の67%がAIによって売上が増加したと答えており、平均11%の増加を実感しています。AIの活用による投資対効果(ROI)も高く、多くの企業が重要な指標で「大きな」ROIを達成したと報告しています。
エージェンティックAIの台頭
調査の中で特筆すべきは、「エージェンティックAI」の導入についてです。まだ試験導入段階にある組織は約3分の1ですが、既に導入している企業は成果を上げています。この技術によって、セキュリティリスクの管理や内部システムの監視が効率的に行われるようになっています。
今後12か月内にエージェンティックAIの導入を検討している経営者は43%に達しており、組織全体の生産性向上に寄与しうることが期待されています。
先駆者企業の戦略
調査の結果、AIの活用において「先駆者」と呼ばれる組織は、他の企業と比べて優れたパフォーマンスを示しています。先駆者のAI成熟度スコアは44ポイントで、全体のスコア35ポイントを上回っています。以下は、先駆者企業が実践している5つの戦略です。
1.
イノベーションのマインドセットを持つ
先駆者はAI導入において明確なビジョンを持ち、経営層が積極的に関与しています。
2.
プラットフォームアプローチの採用
組織全体でAI機能を一元的に管理し、業務プロセスの改善を図ることで効率を高めています。
3.
人材重視
適切な人材を確保し、既存従業員のスキルアップも怠りません。
4.
AIガバナンスの優先
データガバナンスやセキュリティへの取り組みを強化し、リスクを低減させます。
5.
エージェンティックAIの利用
高いROIを実現し、顧客体験や生産性において顕著な成果を上げています。
今後の展望
調査によると、日本は世界16か国中8位の先駆者比率(16%)を持ち、特にテクノロジー関連の企業において高い比率を記録しています。日本の企業が今後もAI技術を積極的に採用し、成熟度を高めていくことが期待されます。これにより、ビジネスの生産性向上や競争力の強化が図られるでしょう。
AIの進化が続く中、企業は効果的な戦略を持って取り組む必要があります。ServiceNowが提供する情報やソリューションは、これからのAI活用の方向性を示す重要な参考となるでしょう。