未来の伝統工芸
2014-03-28 16:42:07
ミラノサローネで伝統と革新が融合!ANTEPRIMAが発信する未来の工芸
ミラノサローネで体感する、伝統と革新の融合
2014年4月、イタリア・ミラノで開催されたミラノサローネで、ANTEPRIMAが主催する特別な企画展が注目を集めました。
その名も「ANTEPRIMA presents Future Tradition WAO + Cri Cri & Othello by Ken Yokogawa」。
この企画展では、日本の伝統工芸の未来を示す「FUTURE TRADITION WAO」プロジェクトと、建築家である横河健氏による現代的なプロダクトデザインが、見事に融合した世界観が展開されました。
未来の伝統を紡ぐ、「FUTURE TRADITION WAO」
「FUTURE TRADITION WAO」プロジェクトは、日本の伝統工芸に新たな息吹を吹き込む取り組みです。
特に、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方の伝統工芸に焦点を当て、若い世代のプロデューサーやデザイナーが、熟練の職人たちと協働して、現代のライフスタイルに寄り添う革新的なアイテムを生み出しています。
今回の企画展では、そのプロジェクトから生まれた2つのアイテムが紹介されました。
一つは、岩手県盛岡市の伝統工芸品である南部鉄器のティーポットです。
400年以上の歴史を持つ南部鉄器ですが、このティーポットは、従来の技術に現代的なデザインセンスと色彩感覚を取り入れ、従来にはないカラフルな魅力を放っています。
滑らかな鋳肌と、下地と上色の二層構造による独特の色合いは、職人の丁寧な手仕事によって生み出されています。
もう一つは、宮城県鳴子温泉の伝統的なこけしをモチーフにしたLEDライトです。
こけし職人の技術と現代的なLED照明技術が融合したこのライトは、ノスタルジックな雰囲気を漂わせながらも、現代の生活空間に自然と溶け込むデザインが魅力です。
これらのアイテムは、単なる伝統工芸品の復刻ではなく、伝統を守りながら革新的に進化を遂げた、まさに「未来の伝統」を感じさせる作品です。
建築家の視点が光る、横河健氏によるプロダクトデザイン
一方、建築家・横河健氏は、住宅や公共施設など、幅広い建築設計を手掛けてきた実績を持つ一方で、洗練されたデザインセンスを生かしたプロダクトデザインも手がけています。
今回の企画展では、横河氏の代表作である「cricri」という椅子、「othello」という組み立て式のシェルフ、「asa-san」という照明などが展示されました。
「cricri」は、一枚の成形合板から生まれた、シンプルながらも人間工学に基づいた快適な座り心地の椅子です。
「othello」は、自由なレイアウトが可能なシェルフで、収納する物の大きさや用途に合わせて自由に組み合わせることが可能です。
これらの作品は、建築設計における機能性と美意識を、プロダクトデザインへと昇華させた、横河氏ならではの創造性が光る作品です。
伝統と現代の調和、そして未来への展望
この企画展は、日本の伝統工芸と現代デザインの融合というテーマを、様々な角度から提示しました。
東北地方の伝統工芸の復興を支援する活動と、著名な建築家による現代的なプロダクトデザインの展示は、互いに刺激を与え合い、来場者に新しい視点と感動を与えたことでしょう。
展示された作品は、単なるオブジェではなく、生活を豊かに彩る実用的なアイテムです。
伝統と現代の調和によって生まれたこれらの作品は、日本のデザイン力とものづくり力の高さを世界に示す、素晴らしい機会になったと言えるでしょう。
ANTEPRIMAが発信する「未来の伝統」は、単なる流行ではなく、未来への持続可能な可能性を示唆する、重要なメッセージを含んでいると言えるのではないでしょうか。
会社情報
- 会社名
-
株式会社アンテプリマジャパン
- 住所
- 東京都港区白金台3-19-1興和白金台ビル4F,5F
- 電話番号
-
03-5449-6122