ソニーのNaviCX導入でカインズの店舗体験が進化

ソニーの屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」とは

ソニーが開発した屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX™」が、株式会社カインズのモバイルアプリ「商品マップ」に導入されました。このシステムは、スマートフォンのセンサーとAIを駆使して、店舗内における顧客の行動をリアルタイムで分析するものです。2025年1月時点で、NaviCXを利用できるカインズの店舗は223店に達し、今後全242店への導入が見込まれています。

導入の背景

広い店舗面積を持つカインズでは、顧客から商品の位置を尋ねる問い合わせが多く、これがストレスの要因となっていました。この課題を解決するために、ソニーのNaviCXが選ばれ、スムーズな買い物体験の実現が目的とされています。

NaviCXの独自性

NaviCXは、特に大規模なインフラ投資を必要とせず、最小限のビーコンを用いることで導入が可能です。そのため、店舗側の負担が軽減され、迅速な導入が実現しました。また、従来のクリックやタップによるナビゲーションとは異なり、リアルタイムで位置情報を追跡し、顧客が望む商品までの道筋を示すことができます。

カインズの顧客体験向上への取り組み

このプラットフォームの導入により、カインズでの買い物体験が向上しました。アプリを使用する500万人以上の顧客は、店内で自分の位置を正確に把握しやすくなり、ストレスフリーに買い物ができるようになります。同時に、NaviCXは顧客の動線、滞在時間、店内での行動に関するデータも取得できるため、これまで見えなかった顧客行動を可視化することが可能になりました。

データ活用の可能性

得られたデータは、施策の「Before」と「After」を比較することで、PDCAサイクルを回し、今後の施策に生かしていくことができます。株式会社カインズの水野圭基氏は、「今後、来店されるお客様の買い物体験を向上させるために、店内販促施策と具体的なサービスを連動させる」とコメントしています。

NaviCXの技術的特長

NaviCXには、歩行者自律航法や地磁気、ビーコンを組み合わせた独自のアルゴリズムが搭載されており、非常に高精度な「位置」や「向き」をリアルタイムで取得できます。これにより、顧客は行きたい商品の場所をスムーズに見つけることができ、店舗側にとっても売場連動型広告など新たな販促活動の実施が可能となります。

今後の展望

ソニーは、NaviCXの提供を通じて小売業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進し、さらなる顧客体験の向上を目指しています。また、2025年には「リテールテックJAPAN 2025」にも出展し、NaviCXを展示する予定です。

詳細な情報は、公式サイトでご覧いただけます。NaviCXは、今後の小売業界においても重要な役割を果たすことでしょう。