お茶の水女子大学と日本航空の連携協定
2025年5月22日、東京都文京区にあるお茶の水女子大学と東京都品川区の日本航空株式会社(JAL)は、ダイバーシティの推進と国際的な人材育成に向けた連携協定を締結しました。この協定は、両者が協力して多様性に富む社会を構築し、全ての人にとっての幸福を追求することを目的としています。
ダイバーシティ推進の重要性
お茶の水女子大学は、「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する」ことをミッションとし、個々の尊厳と権利を保障しています。これまでの伝統のもと、時代の要請に応じた学びを通して、新たな社会的価値を創造する人材の育成に努めています。
一方、日本航空は、多様な「個」がもたらすアイデアが新しい価値やサービスの創造に貢献すると考えています。性別、国籍、年齢、障害の有無などの属性に加え、経験や価値観の多様さも尊重し、未来を切り開く力に変えることが、同社が進めるダイバーシティの理念に深く関わっています。特に、JALの社員構成は男性48%、女性52%と全体的にはバランスが取れていますが、職種別に見ると偏りがあり、改善が必要です。
共同研究の取り組み
このような状況を改善するために改めて、JALとお茶の水女子大学は共同で、航空業界特有の性別に偏った職場環境の調査と改善を進める研究を行います。少子高齢化が進行する中で、航空需要が増加する一方で安定した人材を確保することは重要な課題です。
本研究では、ジェンダード・イノベーションのコンセプトを基に、性に偏りのある職場環境についての調査と分析を実施します。この分析により、性別やその他の属性に関わらず、すべての従業員がその能力を最大限に発揮できる制度や環境を提案し、社会的に実装することを目指しています。
ジェンダード・イノベーションの意義
ジェンダード・イノベーションとは、生物学的および社会学的な性差を考慮した研究により新しいイノベーションを生むという概念です。お茶の水女子大学は、2022年にジェンダード・イノベーション研究所を設立し、この理念に基づく多様な取り組みを行っています。
同研究所では、研究による課題の可視化や研究成果を具現化する製品やサービスの開発、またその結果を社会に広めるための活動を通じて、多様な幸せを実現できる社会の構築を推進しています。
人材育成への協力
JALとお茶の水女子大学は、双方の資源を活かし、ダイバーシティの促進と国際的な人材育成に取り組む計画です。具体的には、JAL内の研修での講義実施や、お茶の水女子大学が主催する講座へのJAL社員の参加、さらには学生インターンシップの受け入れなどを検討しています。これにより、両者の連携がより深まり、ダイバーシティの推進に寄与することが期待されています。
今後の取り組みにより、両者が協働しながら社会に対して新しい価値を提供していくことが期待されます。