2023年11月29日、ピアニストの辻井伸行が待望のデビューアルバム「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番《ハンマークラヴィーア》、遥かなる恋人に」をリリースします。
このアルバムは、辻井がドイツの名門クラシックレーベル「ドイツ・グラモフォン」と専属契約を結んでから初めての作品で、全世界同時デジタル配信に加えて、日本国内ではCDの先行発売が実現します。こうした栄誉あるデビューは、2009年にヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人初の優勝を果たした辻井にとって、新たなステップとなります。
アルバムには、ベートーヴェンが作曲し、フランツ・リストが編曲した連作歌曲集「遥かなる恋人に」が全6曲収められています。この作品は、調和を持った流れが特徴で、第1曲と第6曲が同じ調に基づいているため、特に循環的な印象を強調しています。リストの編曲は、技巧派の技術に走るのではなく、曲本来のシンプルさと情感を大切にした仕上がりになっています。
国内盤CDは、通常盤に加え、高音質のMQA-UHQ仕様とDVD付きの初回限定盤の2種類での発売となります。収録されるDVDには、ベルリンでのレコーディングとアートワークの制作過程、そして辻井のインタビューが含まれています。全世界でのCDリリースは2025年3月21日を予定しています。
特に、「ハンマークラヴィーア」はベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも著名な技術的難易度が高く、辻井がコンクールで披露した楽曲でもあるため、彼にとって特別な意味を持つ作品です。辻井自身も「この曲には深い思い出があり、時が経つにつれて自分自身も変わってきたなと感じています。ベートーヴェンが耳が聞こえなくなってからも素晴らしい作品を作り続けたことに心から感銘を受けています」と語っています。
アルバムリリースに合わせて、辻井は2024年12月からリサイタルツアー「辻井伸行 プレミアム・リサイタル2024」を開催します。このツアーでは、東京、大阪、名古屋、埼玉、長野などで全8公演が予定されています。演奏する楽曲には、名作「ハンマークラヴィーア」も含まれるため、ファンにとって見逃せないイベントになること間違いなしです。
CD購入者には、特典としてポストカードやクリアファイルなどが用意され、数量限定での配布となるため、早めの予約をお勧めします。盛況を期待しつつ、新たな音楽の旅へと踏み出す辻井伸行の挑戦から目が離せません。彼の公式サイトやSNSでも最新情報が随時更新されているので、そちらもチェックすることをお忘れなく。