伊勢志摩観光コンベンション機構は、2024年から新しい体験コンテンツを展開することを発表しました。特に注目されているのは、首都圏から招待された高付加価値インバウンド旅行者をターゲットにしたトライアルイベントです。
このトライアルは、2023年1月30日に開催され、5名の国内外の旅行会社やラグジュアリーホテルの担当者が参加しました。目的は、地域事業者が連携し、独自の体験コンテンツを造成し、販売網を構築することです。具体的な体験内容は、株式会社宮忠が提供する神道をテーマとした文化体験、一般社団法人明和観光商社による擬革紙を用いたクラフトワーク、そして株式会社伊勢福が手掛けるおもてなしの心を根底にしたプライベートツアーが挙げられます。
これらの体験コンテンツは、2025年春以降から旅行会社やホテルを介して販売予定であり、参加者たちは伊勢志摩の魅力や文化的背景に非常に興味を示しました。特に文化と観光の結びつきが議論され、地域のアイデンティティを大切にする姿勢が感じられました。
高付加価値旅行者とは、着地消費が100万円以上となる訪日外国人です。観光庁のデータによれば、この層は訪日旅行者の約1%を占めるものの、消費額は全体の約14.0%を占めています。このような高付加価値旅行者をターゲットに、伊勢志摩はモデル観光地として選ばれ、地方部への誘客を目指す支援が行われています。
この体験コンテンツは、2024年8月より造成がスタートします。具体的には、体験コンセプトの立案や演出シナリオの作成、地域事業者や外国人、外国語ガイドを招待したトライアルの実施などを通じて、日本独自の文化を体験できる準備が進められています。
伊勢志摩観光コンベンション機構は、観光情報の発信やコンベンションの誘致、インバウンド推進、観光産業の振興など、さまざまな事業を展開しており、地域経済の活性化を図っています。また、2024年度も地域事業者と共に体験コンテンツの充実を図っていく姿勢を示しています。
この取り組みは、観光業が長引く新型コロナウイルスの影響から回復するために重要です。日本の伝統文化や特色を生かした体験を通じて、訪れる人々に深い感動を提供し、伊勢志摩地域が新たな観光地としての地位を確立することが期待されます。地域の事業者が協力し一体となって高付加価値旅行者を迎える準備を整え、伊勢志摩の魅力をさらに引き出すチャンスが広がることでしょう。