岩内町の引退馬支援活動の実情
北海道岩内町は、ふるさと納税制度を活用して、引退した競走馬や乗用馬たちに新たな余生を提供する支援活動を展開しています。
岩内町は、積丹半島の付け根に位置し、美しい自然に囲まれた町です。町の周辺には、引退した馬たちがのびのびと生活できる環境を提供する「NPO法人ホーストラスト北海道」が存在しています。ここでは、競走馬や乗用馬たちが表舞台を去った後、快適に余生を過ごすための支援活動が行われています。
JRA(日本中央競馬会)のデータによれば、国内では毎年約7,000頭のサラブレッドが誕生し、通常は2歳で競走にデビューします。しかし、現役の期間はたったの3〜5年。やがて多くの馬が引退し、競走を終えた彼らの行く先は意外と厳しい現実が待ち受けています。そのうち約半数の馬は繁殖用途や乗馬クラブで新たな役割を得る一方で、残りの半数以上は行き場を失い、所在不明となるケースが少なくありません。所在不明の馬の中には、悲しいことに殺処分される馬や、馬肉業者に引き渡される馬も多く存在します。
このような現状に直面し、ホーストラスト北海道は、引退馬たちに安心して余生を過ごしてもらうためにさまざまな取り組みを行っています。北海道庁に認定されたそのNPO法人は、行き場のない馬を引き取り、自然に近い環境の中で彼らを育てています。ホーストラスト北海道の土舘麻未さんは、「ここでは馬が自然界で暮らすのと同じような環境で、群れで昼夜放牧しています。年老いた馬が多いため、日々の体調管理にも細心の注意を払っています」と語ります。
ホーストラスト北海道は、ふるさと納税を通じて寄附を募り、その資金を使って引退馬の飼育に必要な費用を賄っています。具体的には、寄附金のうち25%が事業所に返礼品代金として支払われ、その一部が引退馬の支援に充てられます。寄附者には現物の返礼品は提供されず、寄附金がどのように使用されるかについても透明性を持って説明されています。例えば、寄附金180,000円ごとに1頭の馬を1ヶ月飼育することが可能ですが、そのうちの45,000円が実際の飼育に使われるという仕組みです。
この活動の趣旨を理解し、応援を希望する人々は、ぜひ寄附を検討していただきたいと思います。
また、NPOホーストラスト北海道は、寄附を通じて得た資金を、単に馬の飼育にとどまらず、環境保護や地域とのコミュニケーションを図る活動にも活用しています。これにより、地域社会の交流を深めつつ、子どもたちへの命を大切にする教育や人と動物の共生のあり方を普及させることに貢献しています。
【寄附先】
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楽天ふるさと納税
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ふるなび
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さとふる
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ふるさとチョイス
ぜひ、この取り組みを通じて引退馬たちに新しいチャンスを提供することにご協力いただければ幸いです。