2024年8月28日、株式会社KADOKAWAが出版する新刊『親が悪い、だけじゃない 虐待経験者たちのREAL VOICE』が登場します。この作品はドキュメンタリー映画「REAL VOICE」の監督である山本昌子氏が手掛け、虐待を経験した若者たちへのインタビューをもとに構成されています。
このノンフィクションでは、親からの虐待という深刻な現実に直面した若者たちの声が丁寧に拾われています。彼らの苦しみや葛藤、そして克服への道のりをリアルに描写することで、虐待がどのような影響をもたらすのかを伝えています。
本書に登場する人々の中には、琴海(24歳)や杏(19歳)、侑珠(24歳)といった名前が見受けられます。彼らはそれぞれの経験を通して、親との関係や自立、支え合う社会の必要性を語ります。琴海は「ただいてくれるだけでいい」と語り、孤独感を抱えながらもつながりを求める心情を表現しています。杏は「本当はお母さんに迎えにきてほしかった」と、親への愛情と期待が叶わなかった思いを明かします。また、侑珠は里親との初めての親子喧嘩の経験を通じて感謝の気持ちを伝えたいと話しています。
虐待に関する議論は、時に親を責める声になりがちですが、本書では「親を庇う気持ちも、親を憎む気持ちも持っていていい」と、複雑な感情を理解し受け入れる大切さを伝えています。蓮(20歳)は、「困る前に助け合える社会であればいい」と、自助の精神と社会的な繋がりの重要性を訴えています。
本書は、消えない苦痛と、回復への過程を一人ひとりの当事者の目線から丁寧に聞き取る形で構築されています。この貴重な記録は、単に悲劇を語るものではなく、希望と再生の物語でもあります。
さらに、2024年9月15日(日)には、本書の出版を記念したトークイベントがサイボウズ(株)日本橋オフィスで開催されます。このイベントでは、著者である山本昌子氏が直接、彼女の作品について語ります。この機会に虐待に関する理解を深め、当事者の声に耳を傾けてはいかがでしょうか。
書籍情報は、KADOKAWAのオフィシャルページにて確認できます。現在、頭の中で芽生えた疑問や理解したいことを、本書とトークイベントを通じて明らかにしていきましょう。
書誌情報
- - 書名:親が悪い、だけじゃない 虐待経験者たちのREAL VOICE
- - 著者:山本昌子
- - 発売日:2024年8月28日(水)
- - 定価:2,090円(本体1,900円+税)
- - 体裁:四六判/並製単行本 320ページ
- - ISBN:978-4-04-114595-1
この本を通じて、虐待経験者たちのリアルな声に触れることができ、多くの人々が理解を深め、支え合いの社会を目指すきっかけとなることを願います。