越前市のワイナリーが生んだ革新のワインボトル
福井県越前市に位置するワイナリー「SIX THREE ESTATE」が制作した越前焼陶器ワインボトル「SIX THREE ESTATE ECHIZEN」が、見事グッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、地域の伝統技術を生かしながら革新的なアプローチを試みた結果が評価されたものです。
SIX THREE ESTATEの誕生と理念
「SIX THREE ESTATE」は、2022年に設立された新しいワイナリーで、福井県内でワイン文化を育むことを目指して活動しています。彼らの主な理念は、「世界に通用するワインを福井から」というもので、地元の素材と技術を活かしながら、こだわりのあるワインを醸造しています。
このワイナリーが特に重視しているのは、土地の自然環境や気候を反映する「テロワール」概念です。そこで、彼らは紀元前6000年からの歴史を持つ、ジョージアの土器での醸造手法をヒントにしました。越前市の粘土質の土地を活かし、越前焼協同組合と連携することで、ユニークな陶器製のワインボトルの制作に成功したのです。
陶器ボトルのデザインとその特徴
「SIX THREE ESTATE ECHIZEN」は、特に注目が集まるデザインです。地元のシェフやソムリエとの意見交換を通じて、ボトルの形状に偏心を持たせ、ワインを注ぐ所作が美しくなるよう工夫されています。加えて、このボトルはラベルレスであるため、視覚的にもシンプルながら美しい存在感を持っています。
デザインは、プロダクトデザイナーの渡辺弘明氏が手がけ、華美さを排した質素な美しさが強調されています。これにより、ワインの香りや味わいが一層引き立つことが期待されているのです。
グッドデザイン賞受賞の背景
グッドデザイン賞において審査員からは、ボトルの独自性と、注ぐ作法にまで影響を与えるデザインが高く評価されました。また、土壌や風土を活かしたこのボトルが、越前の名を冠するワイン文化の新たな象徴となることが期待されています。
ワイン文化の新たな挑戦
「SIX THREE ESTATE ECHIZEN」の製品は、越前和紙を使用したパッケージで提供され、手漉きによる仕上がりが一品の価値を高めています。これにより、長い歴史を持つ越前焼と、現代の持続可能なワイン文化を融合させることができるのです。
このオリジナルボトルは、12月1日よりワイナリー及び公式ECサイトで販売されます。また、予約の受付も11月1日から開始される予定です。さらに、同社は一般商品の販売を促進するため、配送が無料になるセールも実施しており、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
越前市の「SIX THREE ESTATE」は、地域の自然と伝統工芸を融合させたワインボトルによる新たな可能性を示しており、その努力がグッドデザイン賞として実を結びました。この陶器ボトルが、越前のワイン文化を更に豊かにしていくことを期待しています。