フィデリティ インターナショナルの調査
フィデリティ投信株式会社は、アジア太平洋地域の個人投資家に関する調査を実施し、その結果を公開しました。調査は日本、中国本土、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアの6地域を対象に、2025年の不透明な市場環境の中での個人投資家の行動を探るものでした。
アジア太平洋地域のセンチメント
調査によると、アジア太平洋全体として、個人投資家のセンチメントは慎重ながら也楽観的で、リスクを取りつつ投資と貯蓄を増やす傾向がみられました。一方で、地域によってその傾向には違いがありました。特に症候が見られたのは、中国本土では投資が減少し、香港では安定資産へのシフトが観察されたことです。日本では、株式やオルタナティブ資産への関心が高まっている模様でした。
日本の投資家の行動
調査の結果、日本の投資家の64%が、不透明な市場環境でも投資計画を変更しないと回答しました。このような結果は、他のアジア諸国と異なり、日本の投資家がより冷静であり、ポートフォリオのチェックを頻繁に行わない傾向が見て取れました。また、日本の投資家の6割近くが「5年以上」の長期投資を想定しており、長期投資に対する意識が高まっていることがわかります。投資の目的は「退職後の資金準備」が最も多く挙げられました。これに対して感じる自信が最も低いとの結果も見受けられ、このギャップが浮き彫りになりました。
株式投資への意欲
また、今後の投資先として株式投資に意欲を示す日本の投資家は半数近くに達しました。特に、株式の中でも中小型株への関心が高まっており、不安定な市場環境においても新たな機会への意識が強いことが確認されました。さらに、NISA制度の拡充を期待する声も多く、特にプラチナNISAについて高い関心が寄せられています。
経済の回復と投資行動
長引いたデフレからの脱却を果たす中で、物価の上昇が続く現状は投資家心理に影響を与えていることも忘れてはならない点です。フィデリティのマクロストラテジストである重見氏は、「日本の投資者は過去のパターンに陥らず、資産運用を着実に続けています」と述べ、自発的な金融リテラシーの向上を期待しているとコメントしています。この調査結果から、日本の個人投資家が慎重でありつつも前向きな姿勢を持ち続けていることが示されています。
まとめ
今回の調査結果を受けて、日本の投資家は今後も長期的な視野を持ちつつ、よりリスクを取る姿勢を強化していくことが求められるでしょう。幸いにも、個人投資家の多くが自己のポートフォリオに信頼を寄せており、さらなる金融教育の重要性も感じられます。これからの投資環境が、どのように変化し得るのか、注目が集まります。