日本初！下肢動脈疾患LEADとフレイル研究の新発表

下肢動脈疾患LEADとフレイルの関係

最近、日本フットケア・足病医学会では、下肢動脈疾患（LEAD）とフレイルに関する新たな研究が発表されました。この研究は、無症状や軽度の動脈硬化の人々に対する新たな観察と治療の可能性を探る国内初の試みです。

LEADは、足の動脈が狭くなる病気で、重症化すると足壊死や切断につながるリスクがあります。生存率は悪性腫瘍よりも低いという報告もあり、特に無症状の期間が長いため気づかない人が多いのが現状です。特に歩行機会が少ない高齢者には、気がつかないうちに最重症へ至るケースも存在します。

この研究は、足の動脈硬化とフレイルの関連性を探求し、兆候を確認することで早期発見につなげることを目的としています。世界的に無症候性や軽度の足の動脈硬化がフレイルのリスクを高めるという報告もあり、国民への啓発が急務とされています。

研究の背景と意義

記者会見では、寺師浩人理事長が登壇し、LEADの拡大するリスクについて強調しました。国内には糖尿病患者が約1000万人、透析患者が約35万人おり、これらの疾患がLEADの発症リスクを高めるとされています。現在、LEAD患者の数は約400万人、そのうち100万人が症状を抱えていると推測されています。

足部の動脈硬化は、糖尿病や重症化した下肢虚血が進行することで被害が拡大し、足を守る対策が急務です。重症化を防ぐためには、創傷治療において足部を極力温存し、自力歩行を重要視する必要があります。自力歩行を維持することは、生活の質を保つために重要です。

LEAD・フレイル研究の詳細

研究代表者の東信良教授は、LEADが四つのステージに分類されることを説明しました。特に無症候性の患者は、自覚症状がないために医療機関への受診が遅れがちです。一方で、最近の研究では、無症候性LEADの患者でも潜在的な重症虚血に陥るリスクが高いとのこと。この改善にはフレイル予防が重要であると指摘されました。

「歩いて健康寿命を維持することが、国民にとって重要です。LEAD・フレイル研究は、貴重なデータソースになることを期待しています。」と東教授は語ります。

今後の展開と研究参加について

河辺信秀教授と百崎眞事務局長は、現在の研究の進捗について報告し、316名から得られたデータでは、異常値が5.7％であったとしています。生活習慣病との関係も明らかにされており、多くの人々にLEADについての啓発が求められています。

今後の研究参加方法は電話またはWebから受け付けられており、ABI検査を受けたことがない方には無料で検査が提供されています。この機会に、足の健康を見直すことが推奨されます。最終的には、LEADとフレイルの実態解明を通じて、多くの人が健やかで快適な日常生活を送れるようサポートしていくことが求められています。