地方銀行Webサイトランキング2024:千葉銀行がトップに輝く
株式会社ブロードバンドセキュリティが発表した「Gomez地方銀行サイトランキング2024」において、千葉銀行が総合1位を獲得しました。このランキングは、地方銀行のウェブサイトを「機能性・使いやすさ」と「商品・サービス情報の充実度」の2つの観点から評価したもので、顧客とのコミュニケーション起点となるサービス案内サイトが対象となっています。
ランキング結果と上位3行の特徴
千葉銀行は、総合得点7.65点で首位を獲得。特に「商品・サービス情報の充実度」において1位を獲得した点が評価されました。トップページの情報量が多いながらも、各カテゴリへの導線が明確で、ユーザーは容易に目的の情報を見つけられるよう設計されています。「お問い合わせ」「よくある質問」といったサポートメニューの常駐や自動応答チャットツールの搭載もユーザーフレンドリーな設計の一端と言えるでしょう。動画を活用した住宅ローン紹介など、ユーザーの次のアクションを促す工夫も評価されています。
2位には池田泉州銀行がランクイン。「商品・サービス情報の充実度」で2位を獲得しました。投資信託や外貨預金といったリスク性商品に関する初心者向け啓蒙コンテンツが充実しており、その分かりやすさが評価されています。「住宅ローンシミュレーション」だけでなく、「相続税シミュレーション」「税制優遇シミュレーション」といった多様なシミュレーション機能も搭載されている点も特徴です。
3位は南都銀行。「機能性・使いやすさ」で7位、「商品・サービス情報の充実度」で5位とバランスの取れた評価を受けました。目的別(ためる・ふやす)、商品別、ライフステージ別の複数の動線を提供するなど、ナビゲーションに工夫が見られます。充実したフッターメニューもユーザーにとっての情報検索を容易にしています。さらに、支店情報のページには「来店予約」への導線を設け、オンラインとオフラインを連携させた設計となっています。
地方銀行Webサイトの課題と今後の展望
ランキング調査では、地方銀行Webサイトの改善が継続的に進められている一方で、いくつかの課題も明らかになりました。
まず、ナビゲーションやサイトのパフォーマンス(表示速度)といった基本的な要素において、上場企業やECサイトと比較して劣っている点が指摘されています。多様な商品・サービスやキャンペーン情報を掲載する必要があるため、情報が探しにくい複雑なサイト構造になっているケースが多く見られます。
また、アクセシビリティの観点からも課題が残されています。特に、高齢層も多いユーザーを考慮した色のコントラストの改善が重要です。検索エンジンの評価向上に繋がるXMLサイトマップの整備も、まだ十分とは言えない状況です。
これらの課題を解決するためには、情報構造の見直し、ファインダビリティ(情報検索のしやすさ)の向上、アクセシビリティの改善、そしてXMLサイトマップの整備が不可欠です。ユーザー体験(UX)を重視した設計により、地方銀行は顧客とのエンゲージメントを高め、デジタルマーケティング戦略をさらに進化させる必要があります。
まとめ
「Gomez地方銀行サイトランキング2024」は、地方銀行Webサイトの現状と今後の課題を浮き彫りにしました。上位3行の特徴を参考に、各銀行はユーザー中心の設計、アクセシビリティの確保、そして検索エンジン最適化(SEO)対策を進めることで、より利便性の高いWebサイト構築を目指していくべきでしょう。