神戸のサスティナブル日本酒「環」が日本初のSalmon-Safe認証を取得
神戸新聞社が新たに展開するサスティナブルな日本酒「環(めぐる)」が、米国オレゴン州に拠点を置く環境保護団体Salmon-Safeの認証を日本で初めて取得しました。この認証の取得を支援したのは、株式会社Super Normalです。日本の農業の新しい在り方として、サステナビリティを重視するこの製品が注目の的となっています。
Salmon-Safe認証とは?
Salmon-Safe認証は、水質保全や生物多様性に焦点を当てた持続可能な取り組みを評価するものです。アメリカではこの認証を受けた農場から生まれた原材料を使用したさまざまなアルコール飲料が市場に出回っています。特にオレゴン州ポートランド市では、市全体がSalmon-Safe認証の取得を促進しており、NIKE本社もこの認証を取得しています。Salmon-Safeの特徴は、流域全体の視点から認証基準を設け、その基準を満たす農業活動が評価される点です。
資源循環から生まれた日本酒「環」
日本初のSalmon-Safe認証を獲得した「環」は、神戸新聞社が推進している「地エネの酒 for SDGs」プロジェクトから生まれました。この酒は、兵庫県の特産米「山田錦」を使用し、酪農家の未利用資源を肥料として活用することで循環型のものづくりを実現しています。この取り組みは、美味しい日本酒を生み出すだけでなく、環境負荷を軽減することにも寄与しています。
環の栽培と厳しい認証基準
「環」の原材料として使用される酒米は、サステナブルな栽培方法を取り入れた豊倉町営農組合と株式会社tenによって育てられました。サステナブルな栽培には水質保全、オーガニック農法、資源循環の要素が含まれており、これによりSalmon-Safeの厳格な基準を満たすことができたのです。この取り組みは革新性と社会貢献性が高く評価され、既に数々の賞も受賞しています。
クラウドファンディングで広がる環
Super Normalは、2023年秋にSalmon-Safe認証を取得した日本酒「環」の販売をクラウドファンディングを通じて展開する予定です。このプロジェクトは、地域資源を活用しながら持続可能な食品生産を実践する一環として位置付けられています。Salmon-Safe認証を持つことで、消費者に対し透明性が高まると期待されており、サステナブルな選択肢を提供することができます。
ローカル認証の重要性
Super Normalは、Salmon-Safeの取得が地域ごとの消費行動に影響を与えると見込んでいます。ローカル認証は、持続可能なものづくりを実現するための道標となります。今後、Salmon-Safe認証取得に向けた支援活動を続け、より多くの事業者がこの認証を取得するための取り組みを行っていく予定です。
メッセージと展望
Salmon-SafeのCEOであるダン・ケント氏は、「豊倉町の農業組合と株式会社tenが認証を取得したことは、日本の流域を守る意義深い一歩です」と述べています。また、神戸新聞社の辻本一好氏は環プロジェクトを通じた地域資源の活用の重要性を強調し、持続可能なものづくりの展開に期待を寄せています。
このように、日本初のSalmon-Safe認証を取得した「環」は、地域の資源を活かし持続可能な未来を目指す新たな挑戦として、多くの人々に希望を与える存在となっています。今後の展開に注目です。