医療業界のジェンダーバイアスを克服するための取り組み
2025年3月11日、千葉県千葉市にある敬愛学園高等学校では、ナース専科が協賛する「探究インターン」に基づいたワークショップが行われました。このイベントでは、医療業界におけるジェンダーバイアス解決に向けて、高校生たちが自らの意見を交わし、解決策を考える機会が提供されました。
背景と目的
医療業界における男女の役割分担や、看護師の性別に関する先入観は、長い歴史を背負っています。2002年の法改正以前は、女性の看護師が「看護婦」、男性が「看護士」とされていました。最近では、男性看護師の割合も増え、2012年の6.2%から2022年には8.6%に達しています。しかし、全体の中では依然として1割を下回っており、これは業界のジェンダーバイアスが解決されていない証拠です。
ナース専科は、看護師への理解促進と将来的な人材確保を目指し、このワークショップを開催。参加学生たちに教育を施すことで、医療業界でのジェンダーに対する意識改革を推進する狙いがあります。
ワークショップの内容
本イベントでは、医療業界の現状に関する基礎知識を学び、続いてジェンダーバイアスに関する具体的な議論が行われました。参加者は男女合わせて18名で、グループワークを通じて意見を交わしながら知見を深めました。
グループワークの様子
- - 基礎知識の習得:医療業界における現在の課題や、日常生活の中で感じられるジェンダーバイアスに関する意見が出されました。たとえば、「看護師は女性が多い」という先入観や、「理系は男性のイメージ」といった偏見が挙げられました。
- - 意見交換:男性看護師が抱える具体的な問題について議論され、「男性看護師が珍しい印象を与える」「具体的な医療分野での役割が限られる」といった声が上がりました。
- - プレゼンテーション:最後に、グループごとに自らのアイデアをプレゼンテーションしました。異なる視点からの提案が出る中、特に目立ったのは「男性看護師の存在を広めるため、パンフレットやメディアでの露出を増やす」というアイデアです。
参加者の反応
ワークショップ終了後のアンケートでは、95%の参加者が「ジェンダーバイアスに対する理解が深まった」と回答。また、約90%が「医療や介護職への関心が高まった」と感じており、意識改革が進んでいることが明らかになりました。
受講生の声
「医療や社会での偏見に気づき、より良い社会を目指したい」、「将来看護師になるためのヒントが得られた」といった意見が寄せられました。これにより、学生たちがこの分野に対する理解を深めようとする姿勢が伝わってきます。
今後の展望
ナース専科では、今後もこのような探究活動を継続し、医療業界におけるジェンダーバイアス解消に向けた情報提供や啓発を進めていく計画です。若者たちが未来の医療現場を担う存在として理解を深め、この問題に取り組むきっかけとなることが期待されています。