2024年11月27日、発明家の藤原麻里菜氏が手がけたエッセイ集『不器用のかたち』が小学館から発売されます。この本は、彼女の「無駄づくり」プロジェクトに焦点を当てたものであり、これまでのクリエイティブな取り組みを総括したコレクションといえるでしょう。藤原氏は、ユニークで時に奇妙な発明品を生み出すことで知られており、その代表作には「インスタ映え台無しマシーン」や「札束でぶたれるマシーン」などがあります。これらのアイデアは10年以上にわたり誕生してきました。
特に注目すべきは、SNSの普及によって他者からの評価が重視される現在において、藤原氏が物作りの原点に立ち返り、その楽しさを再発見する過程をこのエッセイに綴っていることです。藤原氏自身は不器用と自認しているものの、様々な手法で創作に挑戦しています。本書では、ニット編みや石粉粘土、さらにはお菓子作りやネイルアート、溶接、ガラス細工、ボトルシップなど、22種類の物作りを楽しむ姿が描かれます。完成した作品はフルカラーで掲載されており、視覚的にも楽しませてくれます。
「完璧である必要はない、不恰好でも未完成でもいい」。このメッセージが本書を通じて伝えられたことで、読者は自分自身の不完全さを受け入れ、愛するきっかけを得ることでしょう。物を作る楽しさは、単に目に見える成果物だけでなく、そのプロセス自体にもあるのだと藤原氏は教えてくれます。
また、本書の刊行を記念して、藤原氏とWebメディア「オモコロ」の編集長・原宿氏によるトークイベントも開催されることが決まっています。イベントのテーマは「“つくる” をたのしむ」で、奇想天外なコンテンツの創造者同士が、物作りの楽しさやその秘訣について語り合う貴重な機会です。2025年1月8日(水)に本屋B&Bで行われる予定です。詳細は後日発表されます。
著者の藤原麻里菜氏は1993年に神奈川県で生まれ、コンテンツクリエイターや文筆家として活躍中です。頭に浮かんだアイデアを形にする過程で「無駄づくり」を核にした作品を生み出しており、2016年にはGoogle主催の「YouTube NextUp」に入賞。2021年にはForbes Japanの「世界を変える30歳未満」に選出されるなど、多方面でその才能を認められています。また、2022年には青年版の国民栄誉賞であるTOYP会頭特別賞を受賞し、その実績は輝かしいものです。
『不器用のかたち』は144ページのボリュームを持ち、定価は1,760円(税込)。物作りへの情熱と独自の視点を持つ藤原氏による本書は、自分自身の不器用さを受け入れ、物作りの楽しさを再認識するための大きなヒントになるでしょう。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。