バヌアツ・エスピリトゥサント島の現地視察
認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)は、2023年8月22日から29日まで、バヌアツを訪問し、現地の子どもワクチン支援の現状を確認しました。この視察には7名の支援者とJCVのスタッフ2名が同行し、エファテ島やエスピリトゥサント島の村や診療所、ワクチン接種会場、UNICEF事務所などを訪れました。支援が始まった2010年からの8年間の変化を含め、現地の状況を直に見て回る大事な機会となりました。
7年ぶりの訪問
コロナ禍やバヌアツ唯一の航空会社の倒産の影響で、サント島の視察は実に7年ぶりとなりました。この美しいリゾート地であるサント島ですが、中心地のルーガンビル以外では多くの地域が自給自足の生活を送っています。7年前の訪問時には、島のほとんどが電波が届かず、スマートフォンの利用も難しい状況でした。そのため、出産の情報も「うわさ」として広がるのみで、医療環境は非常に厳しいものでした。診療所が地域に住む約2,000~3,000人の命を支え、医療スタッフは遠い村まで5時間も歩いて出張するという状況が続いていました。
今回の視察では、コロナ禍を経た7年間の変化や子どもたちの健康状態、そしてワクチン支援の進捗を実地で確認しました。
バヌアツの子どもワクチン支援
バヌアツはオーストラリア大陸の東に位置し、83の島々から構成される国です。多くの住民は自給自足で、キャッサバや島キャベツの栽培、バナナやマンゴーの収穫で生活しています。JCVが支援を行う以前は、人口が分散しているためワクチンの配送やコールドチェーンの運用が極めて困難でした。特に交通インフラの未整備は大きな障害で、結果としてワクチン接種率が著しく低く、ヒブによる死者数は太平洋地域で最も多い年もありました。
2010年からの支援開始以降、JCVは「五価ワクチン」や「MMRワクチン」の支援に取り組み、接種回数を減らすことで医療従事者や母親の負担を軽減し、効率的なワクチン接種体制を構築しました。現在では、ワクチン接種がある程度定着してきましたが、島ごとの接種率のばらつきが大きな課題となっています。
JCVの活動と成果
感染症、特にポリオやはしか、破傷風などは途上国で依然として多くの子どもたちの脅威となっています。毎日4,000人の子どもたちが、ワクチンによって防げたはずの病気で命を失っています。JCVは、1994年の設立以来、UNICEFや各国の保健省と連携し、約1億4,000万人の子どもにワクチンを届けてきました。昨年には、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの4カ国に対し、約1億1,775万円分のワクチンと関連機器を提供することができました。
これからもJCVは、途上国の子どもたちに向けて安全なワクチンを提供し、未来を支えていく活動を続けていきます。
結論
JCVの活動は世界中の子どもたちの命を守るために欠かせない存在であり、ボランティアや寄付者の支援がその活動を支えています。この視察を通じて得られた情報は、より良い支援を行うための重要な手がかりとなることでしょう。