百貨店グルメ催事、コロナ禍からの復活で食トレンドが加速!パンフェスやクッキーブームに注目
CCCマーケティング総研が発表した2024年4月の「産業動向レポート」では、百貨店のグルメ催事がコロナ禍からの回復傾向にあることが明らかになりました。特に、パンフェスやクッキーなど、新たな食トレンドが生まれている点が注目されています。
コロナ禍で停滞していた百貨店催事、集客力回復で再び活況
コロナ禍で大きな打撃を受けた百貨店ですが、流動人口の回復とともに売り上げを伸ばしています。インバウンドの増加も追い風となり、ラグジュアリーブランドや宝飾品が業績を牽引しています。
そんななか、百貨店の催事も徐々に活気を取り戻しています。コロナ禍前は集客の起点として重要な役割を担っていた催事ですが、コロナ禍の影響で集客力は低下していました。しかし、近年の動きを見ると、催事の集客力は再び回復し、以前のような活況を取り戻しつつあります。
ご当地グルメ催事、パンフェス、そしてクッキーブーム!百貨店が牽引する食トレンド
コロナ禍前に人気だった「北海道展」や「九州展」といったご当地グルメ催事は、新たなテナント誘致を行い、集客力をさらに強化しています。これらの催事は、百貨店が牽引役となり、外食店にメニューとして波及していくケースが多く見られました。
パンフェスも、コロナ禍前から徐々に全国的な広がりを見せていましたが、集客面で回復傾向が鮮明になっています。以前は高級ベーカリー主体の構成でしたが、最近では町中ベーカリーの出店が増加しており、専門型ベーカリーとバラエティ豊富なベーカリーを組み合わせた展開が主流となっています。このような催事を起点に、パンのトレンドが変化していく可能性も高く、今後の動きが注目されます。
さらに、百貨店の催事開催機会の増加と市場の活性化がほぼ同じペースで進んでいるのが「クッキー」です。クッキーはデパ地下の定番テナントでしたが、ここ1~2年の間でその位置づけは大きく変わってきています。お菓子の自主編集売り場でもクッキーが採用されるケースが増加し、売り切れが続出するなど、デパ地下スイーツの中で存在感を増しています。手土産の市場でもクッキーの人気が上昇しており、サブレやソフトクッキーなど、バリエーションも一気に広がっています。
こうしたクッキーやビスケットの人気は、百貨店だけでなくコンビニエンスストアやスーパーマーケットにも波及しています。「たべっ子どうぶつ」や「カントリーマアム」といったロングセラー商品が人気を牽引し、PBアイテムでも採用されるケースが増加するなど、さらなる消費拡大が予想されます。
百貨店は食トレンドの発信地として、今後も重要な役割を担う
社会の変化により百貨店の役割はかつてと大きく様変わりしていますが、いまだトレンド発信の拠点としての役割は非常に重要です。特にグルメ催事は、次なる消費を占う場として、今後も注目を集め続けるでしょう。
CCCマーケティング総研は、今後も生活者の消費データやインサイトに基づいた調査を行い、食トレンドの動向を分析していきます。