築野食品工業が製造する「圧搾一番搾り国産こめ油」が、第54回食品産業技術功労賞を受賞しました。同社は、米ぬかから油分を抽出する際に、食品添加物として認められている有機溶剤を使わず、圧力のみで搾る伝統的な圧搾製法を追求し、量産化に成功しました。さらに、精製工程においても、蒸気精製法を用いることで、完全無溶剤での精製を実現しました。
この受賞は、同社の技術革新とサステナビリティへの取り組みが評価された結果と言えます。米ぬかは、わずか20%しか油分を含んでおらず、圧搾で搾り出せるのはその半分程度です。そのため、従来は溶剤を使った製法が一般的でした。しかし、築野食品工業は、長年研究を重ね、圧搾製法での量産化に成功しただけでなく、完全無溶剤での精製を実現することで、米ぬかの栄養分を最大限に活かした、安全で高品質なこめ油を生産しています。
食品産業技術功労賞は、食品産業新聞社が主催する賞で、日本の食品産業の発展に著しく貢献した企業や個人を表彰するものです。今年度は、築野食品工業の「圧搾一番搾り国産こめ油」の他に、アサヒビール株式会社の「アサヒゼロ」、大塚食品株式会社の「マイサイズ」シリーズなど、革新的な商品や技術が受賞しました。
築野食品工業は、今後も米ぬかの成分に着目し、研究開発を進めることで、こめ油だけでなく、食品、化学、医療、化粧品など、幅広い分野への活用を目指しています。同社の取り組みは、国内の米ぬかの有効活用を進め、地球環境、生産者、消費者の持続可能な発展に貢献すると期待されます。