カレーライス物価が記録的な水準に到達
家庭の食卓で人気を誇る「カレーライス」の物価が、過去最高となる377円を記録しました。この数字は、2024年11月の調査結果で、前年同月比で約20%の上昇を示しています。この8か月連続での最高値更新には、原材料や水道光熱費の価格上昇が影響していると考えられます。
株式会社帝国データバンクが独自に算出した「カレーライス物価指数」によれば、11月時点でのカレーライス1食当たりの総コストは377円に達し、前月からは6円の増加、そして前年同月からは61円もの大幅な値上がりを示しています。特に、コメの価格高騰が大きな要因となっています。
原材料と光熱費の影響
「カレーライス物価」を構成する主な費用には、肉や野菜などの「カレー具材」が約半分を占めています。この部分の価格は前年同月から5円の増加で、現在のコストは200円となっています。輸入牛肉の価格が上昇している一方で、ジャガイモやニンジン、タマネギの価格は落ち着きつつあり、特に野菜類については4か月連続で前月を下回る推移を見せています。
その一方で、「ごはん(ライス)」の価格は149円に達し、前年同月から57円の増加を見せるなど、コメ価格の高騰が影響しています。この価格上昇は、過去10年間で最大となっており、カレーライスの物価を押し上げる主要因となっています。水道光熱費やカレールーの価格に大きな変動は見られませんが、水道光熱費は水面下で上昇が続いています。
カレーライス物価の将来展望
この物価の推移を表す「カレーライス物価指数」は、2020年平均を100として、2024年11月時点で137.8に達し、前年比で約19.6%増加、18か月連続の上昇となっています。こうしたデータから、カレーライスの調理にかかるコストが上昇し続ける現状が伺えます。
12月には、カレーライス物価が380円に達する可能性もあります。野菜価格は安定しつつありますが、コメの価格は安定する気配を見せておらず、過去10年で初めて150円台にのぼることが予想されています。また、電気やガス代の上昇も影響し、今冬の光熱費も記録的な水準に達する見込みです。
可処分所得が減少する中、家庭ではカレーライスの人気メニューの価格が上昇し続ける現実に直面しています。今後の物価動向に目を向け、食生活に与える影響を見守る必要があるでしょう。