総務省が接続政策の見直しに向けた諮問を発表しました

総務省、接続政策の見直しを諮問

2023年10月21日、総務省は「ネットワーク環境の変化を踏まえた接続政策等の在り方」に関する諮問を、情報通信審議会に提出しました。この取り組みは、急速な技術革新と変化する電気通信市場に対応するために必要とされています。

諮問の背景

近年、電気通信業界ではメタル固定電話の契約数が顕著に減少し、PSTNからIP網への移行が完了しました。これに伴い、メタル回線設備の縮退が進行し、接続政策についても見直しが求められています。従来の接続ルールを転換し、長期増分費用（LRIC）方式を導入する必要があるとの見解が示されています。

これにより、メタル固定電話関連の接続ルールの再検討が急務です。特に、PSTNからIP網への移行に伴う音声接続の変化に対応して、接続形態も適切に見直す必要があります。音声接続料に関するビル＆キープ方式の原則化についても、さまざまな観点からの議論が必要です。

ネットワークの未来への対応

さらに、将来的にはネットワークの仮想化やクラウド化が進む中で、外部事業者によるネットワーク制御機能の提供が求められることになります。このような新しい状況に適応するために、ネットワークの開放ルール教についても総合的に検討するて必要があります。

加入光ファイバの接続料算定方法の見直しも重要なテーマとして挙げられており、現代の市場環境に合った競争ルールの整備が期待されています。

このような調整を通じて、安定した接続政策の確立が目的とされており、IP化や仮想化、クラウド化といった今後の変化に対応した柔軟な基盤作りが計画されています。

審議会への諮問内容

総務省が今回提出した諮問には、以下の三つの重要な事項が含まれています。

1. 音声伝送役務にかかわる接続ルールの在り方 - IP化やメタル縮退に伴う接続ルールを検討する。
2. ネットワーク開放ルールの在り方 - 仮想化・クラウド化の進展に基づくネットワーク開放の方法。
3. 競争ルールの在り方 - 現在の市場環境の変化を考慮した競争ルールの見直し。

こうした提案には、2024年の夏頃をメドに答申が期待されています。これにより、より高効率で競争力のある電気通信市場の創出を目指します。