グリラスが資金調達
2020-12-23 09:00:02
国産食用コオロギ生産の新時代。グリラスが資金調達で量産体制を強化
国産食用コオロギとその未来
最近、国産食用コオロギの供給を目指す株式会社グリラスが、シリーズAラウンドにて合計2.3億円の資金調達を行ったとのニュースが発表され、話題を呼んでいます。この資金により、同社は食用コオロギの自動生産システムを導入し、量産体制を整備することを計画しています。
グリラスは2019年に設立され、徳島大学の研究を基にした昆虫食の専門企業です。コオロギは、他の家畜と比べても環境負荷が極めて低く、飼育に際して必要な資源が少ないため、持続可能なタンパク源として注目されています。特に、コオロギはその風味の良さから、さまざまな食品へと利用される可能性を秘めています。
資金調達の背景
今回の資金調達は、グリラスが展開する食用コオロギの量産体制を強化するためのステップです。徳島県美馬市にある廃校を生産拠点として再整備し、株式会社ジェイテクトとの共同開発を進めることで、効率的な生産システムを確立していく方針です。
この取り組みは、急増する世界の人口に対する食料供給や環境問題の解決に寄与することを目的としています。国連の報告によると、2050年までに人口は97億人に達し、動物性タンパク質の不足が深刻化することが予想されています。これに対処するため、昆虫食が一つの解決策として指摘されています。
環境への配慮
コオロギの飼育は、飼料や水分の消費が少なく、環境負荷が低いことが大きな特徴です。多くの栄養素を含み、他の昆虫と比べて食味が高いため、グリラスはその利点を生かし、食品業界への展開を図っています。コオロギの加工品は、せんべいやラーメン、さらにはコーヒーなど、多岐にわたります。
未来の展望
グリラスは、今回の資金調達を活用して、より安全で安心なコオロギの生産を日本国内で行うことを目指しています。自社での生産を通じて、物流における環境負荷も抑えることができ、持続可能な食料供給に貢献することでしょう。また、製品拡充として、家庭用の粉末製品に限らず、化粧品やサプリメント、さらには飼料や肥料、医薬品など、ライフスタイルをサポートする多様な商品を展開する計画も進めています。
出資者の期待
出資者もグリラスのビジョンに強い期待を寄せています。アグリ・フードリードキャピタリストの有馬暁澄氏は、グリラスの代表である渡邉氏に期待を寄せつつ、同社の取り組みが世界規模での課題解決につながることを期待しています。また、産学連携キャピタルの北岡和義氏も、食料問題解決に向けたグリラスの挑戦に関与することを喜びとしています。
グリラスの挑戦は、国産食用コオロギの量産体制の確立を通じて、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。今後の展開に注目です。
会社情報
- 会社名
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株式会社グリラス
- 住所
- 徳島県徳島市川内町平石流通団地5-1
- 電話番号
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