電通がデータクリーンルームのグローバル展開を発表
株式会社電通は、データクリーンルームを活用した新たなマーケティングソリューションを海外でも展開することを正式に発表しました。この取り組みは、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、APAC(アジア太平洋)、US(アメリカ)を含む地域で実施され、Cookieを使用せずに安全で高度なマーケティング支援を目指しています。
データクリーンルームとは?
データクリーンルームは、複数のデータソースを安全に統合し、プライバシーに配慮しながら分析を行うためのクラウド環境です。電通は2016年からこの分野に着目し、各種プラットフォーム事業者との連携を進めることで、国内での活用実績を積み重ねてきました。今では年間1000件以上のデータ分析やコンサルテーションを企業に提供しており、国内有数のプレイヤーとなっています。
グローバル展開の背景と目的
この度、電通は日本国内で培った知識と経験を基に、グローバルなデータクリーンルームソリューションを提供する準備を整えました。各地域の特有のデータ環境や法律を考慮し、企業が安全かつ効率的にデータを活用できるように支援することを目指しています。具体的には、表1のサービスを通じて、データ分析の簡易化を実現し、特定のビジネスニーズに応えるカスタムソリューションも提供する予定です。
具体的なサービス内容
1.
TOBIRAS globalの開発
データクリーンルームのシステム基盤「TOBIRAS」のグローバル版を開発します。まずはMetaの支援を受けたβ版をEMEA、APAC、US地域でローンチし、クライアントに1st Partyデータを安全に転送・集計する機能などを提供します。
2.
個別データクリーンルームの提供
各地域や企業のニーズに合わせたカスタムソリューションを提供します。特に、X(旧Twitter)との連携においては、独自のデータクリーンルームを構築している点が大きな強みです。
3.
TOBIRASのノウハウ提供
各国のビジネス環境に応じて、顧客の自社システムでデータクリーンルームを活用するサポートも行います。これにより、企業が自社データを最大限に活用できるようにします。
未来に向けた展望
電通は今後もデータクリーンルーム関連の投資を拡大し、グローバルなプラットフォームとの連携を強化することで、「TOBIRAS global」の機能を充実させ、データアナリスト人材の育成にも力を入れていきます。これにより、全ての顧客企業がマーケティングの変革を遂げる手助けをしていく考えです。本取り組みは、デジタルマーケティングの新たな時代の到来を告げるものとして、業界全体の注目を集めることが期待されています。