新たなレビュー評価システムの登場
近年、商品購入時に参考にされるレビューの信頼性が問題視されています。偽レビューや操作された評価の横行は、実際の消費者や出品者にとって大きな損失をもたらします。こうした課題を解決するために、東京大学の鳥海研究室が立ち上げたAIスタートアップTDAI Labが新たに開発したのが、レビュー信頼性スコアリングAI『WISE REVIEW』です。
WISE REVIEWの開発背景
消費者は、商品の購入に際して多くの場合、他のユーザーからのレビューを参考にします。しかし、最近では不正なレビューや、意図的に高評価をつける「やらせレビュー」が横行しており、消費者が本当に信頼できる情報を得ることが難しくなっています。これにより出品者は不当なアンチレビューによる売上の機会損失を被り、消費者は信頼性の低い情報に基づいて購入を決定するため、結果的に「もっと良い商品が買えたはず」という機会損失を経験しています。
こうした問題感から、TDAI Labは高度なネットワーク分析や自然言語処理技術を駆使したAI『WISE REVIEW』を開発しました。これにより、レビューの信頼性を客観的にスコアリングし、消費者と出品者のフェアな取引を実現します。
特許技術の概要
『WISE REVIEW』はレビューに対して評価を付与するだけでなく、ユーザーの評価傾向や信頼度を可視化する機能も備えています。この技術により、ネットワーク分析を通じて星の数や文章の内容を解析し、高信頼度のレビューと低信頼度のレビューを自動的に識別。企業は悪質なユーザーを特定し、消費者はより良い商品を見つける手助けとなるでしょう。
幅広い利用用途
このシステムは口コミサイトにとどまらず、あらゆる分野に応用可能です。例えば、マーケティングリサーチや人材評価、SNSやオンライン上のクチコミ分析にも利用されることが期待されています。また、各種評価機能を追加することで、企業は自社の商品やサービスに対する真の評価が得られ、消費者は信頼性の高い情報をもとに安心して選択が可能になります。
未来の展望
TDAI Labでは『WISE REVIEW』の導入を進め、初年度には50社以上の企業に導入することを目指しています。これにより、出品者と消費者の信頼を築いていきたいと考えています。市場でのレビューの信頼性向上は、今後のオンライン取引における重要な鍵となるでしょう。
会社概要
株式会社TDAI Labは、2016年に創業されたスタートアップ企業で、東京大学大学院の鳥海不二夫研究室を基にしています。次世代AI技術を活用したアルゴリズムソリューションを提供し、研究成果を社会に役立てるための導入支援を行っています。現役の東大生がAIエンジニアとして活躍し、その技術力を駆使して次世代のサービスを展開しています。
詳しい情報は公式サイト
TDAI Lab をご覧ください。