別府の新しい芸術祭『廣川玉枝 in BEPPU』が魅せる祭の力と自然のエネルギー

別府市に新たな芸術祭が誕生します。『廣川玉枝 in BEPPU』と名付けられたこのプロジェクトは、2021年12月18日から2022年2月13日までの間、別府市内で展開されます。本プロジェクトは、アーティスト広川玉枝氏の創作によって「祭」をテーマに構成され、別府ならではの自然との調和を感じることができる内容となっています。

広川玉枝が提唱するこのアートプロジェクトでは、地域の文化や信仰を基にした新たな神事が実施され、観客は屋内外のインスタレーションや衣装展示を通じて「祭」の雰囲気を体感できるようになっています。神事には、山、町、海の3つがあり、それぞれ異なるエネルギーと目的を持っています。特に、「山」で行われる疫鬼を払う『追儺式奉納』や「町」での地嶽祭神事奉納では、地域の人々が一緒に参加して神々の衣装を纏い、エネルギーを与えるための行動が繰り広げられます。

西の神秘的な景観に囲まれた別府市では、ここに生きる人々が古代から続く自然への畏敬の念を祭りという形で表現しています。廣川さんは、歴史のある祭の大切さと、それが求められる背景に注目し、現代に必要なエネルギーや活力をよみがえらせようとしています。彼女の作品は、別府で感じられる自然のエネルギーや人々の思いを具現化し、観る者にメッセージを届けるものです。

このアート祭は、以前の混浴温泉世界から受け継がれた形で、地域性を活かしたアートプロジェクトとして地域に根づいています。毎年異なるアーティストが招聘されており、今年で6回目を迎えることになります。過去には、目【mé】、西野達、アニッシュ・カプーアなど、国際的に活躍するアーティストが参加し、それぞれのみずみずしい視点で、別府の魅力を引き出してきました。

開催場所は、鉄輪むし湯や火男火賣神社、大谷公園などで、無料で参加できるのが大きな特徴です。アートを身近に感じながら、地域の文化や自然に触れ合う体験ができる機会は、貴重なものとなるでしょう。

また、プロジェクトの主催者である混浴温泉世界実行委員会は、観客が多くの希望とエネルギーを持ち帰り、新たな未来への一歩を踏み出す場であることを願っています。彼女の作品は廣川の代表作『Skin Series』にインスパイアされたものであり、魔除け提灯や暖簾を使用することで、温泉街を大胆に彩ります。自然のエネルギーや神々の思いを感じるこの機会を、ぜひ多くの人々に体験してほしいと願っています。

さらに、オンラインギャラリーやさまざまなトークイベントも開催され、アートの多様性をみんなで楽しむことができる内容となっております。大分県別府市の新たなプロジェクト『廣川玉枝 in BEPPU』は、自然と文化が交わる素晴らしい機会を提供しており、観客に新たな発見と感動をもたらすことでしょう。