宇都宮空襲新聞
2025-07-18 14:29:16

栃木県宇都宮市の歴史を今に伝える「宇都宮空襲新聞」

下野新聞社が発行した「宇都宮空襲新聞」



2023年7月12日、栃木県宇都宮市の下野新聞社が特別版「宇都宮空襲新聞」を発行しました。これは、1943年の同じ日に発生した宇都宮市への空襲の記憶を残そうという試みです。80年の時を経て、当時の悲劇を新たに掘り起こし、次世代に語り継ぐことを目的としています。

空襲の背景と被害状況



宇都宮空襲は、米軍のB29大型爆撃機により、深夜から未明にかけて行われました。攻撃では、1万発以上の焼夷弾が市中心部に投下され、結果として620人以上の犠牲者を出しました。この空襲は、北関東における大規模な都市空襲の最初のものであり、地域に永続的な傷跡を残しました。特に下野新聞社は直接的な被害を受け、社屋が全焼してしまうという痛ましい結果に終わりました。

特別版の内容



発行された「宇都宮空襲新聞」は、ブランケット版で全4ページから成り、日付は「昭和二十年七月十三日」とされています。一面には、当時の題字を用いた「宇都宮で大空襲」の大見出しと共に、焼け野原の中にある社屋のカラー化されたモノクロ写真が掲載されており、不幸な出来事の重みを伝えます。

続く2面と3面では、最高齢の体験者である97歳の方を含む14人の写真や証言を特集し、空襲体験者の生の声を通して、当時の状況をリアルに伝えています。これにより、ただの歴史の一部としてではなく、実際にそこで生きた人々の思いを後世に伝えようとする意図が表れています。

四面は写真グラフが中心で、当時の様子や人々の表情を切り取り、記憶を視覚的にも記録しています。これらの努力は、過去の記憶を忘れないための重要な一歩であり、歴史を次世代に引き継ぐための重要な試みです。

意義と今後の展望



下野新聞社の編集局長、三浦一久氏は、「80年の時を経て、後輩たちが本紙の歴史の空白と向き合った。この経験を戦争を語り継ぐ一助にしたい」とコメントしています。この言葉には、ただの情報伝達に留まらない、より深い教育的な意義が含まれていることが感じ取れます。

この特別版の発行は、宇都宮の歴史とその教訓を再考し、被害者やその遺族への思いやりをもたらすものであり、地域としても重要な取り組みでしょう。今後も、このような活動が続けられることを期待したいです。

このように、歴史を振り返ることで、再び同じ過ちを犯さないための教訓を得られるとともに、未来に向けた希望が育まれることを願います。


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会社情報

会社名
株式会社下野新聞社
住所
栃木県宇都宮市昭和1-8-11
電話番号
028-625-1111

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