ファーメランタが資金調達を実施し次世代の発酵産業に挑む

ファーメランタ株式会社がシードラウンドで2億円調達

ファーメランタ株式会社が、シードラウンドにおいて2億円の資金調達を成功させました。このスタートアップは、植物由来の有用成分を微生物による発酵を通じて生産することで、人類と地球の健康に寄与することを目指しています。これまで、健康促進や医薬品の開発には天然化合物が利用されてきましたが、自然環境に左右される農業の課題に取り組む革新的な解決策を提供します。

ファーメランタの誕生背景

ファーメランタは、2008年に植物由来のアルカロイドを微生物で発酵生産することに成功したチームによって設立されました。2011年には、この技術を用いて多様なアルカロイド化合物の供給が可能な中間体の生産に成功し、さらに2016年にはWHO指定の必須医薬品原料の生産を果たしました。

この成果は、国立研究開発法人の支援を受けたプロジェクトの一環として行われ、独自の微生物菌株を開発する技術が進化を遂げてきました。企業としては2022年に設立され、今回が初めての資金調達となります。

新技術と研究開発の拡充

ファーメランタは、調達した資金を使い、研究拠点の強化や研究開発チームの増強に取り組む予定です。具体的には、生産菌株の改良による生産効率の向上を目指し、既存製品においても生産コストを下回る高収量を実現する計画です。今後1年半をかけて基盤技術の強化を行い、その後の試作やスケーリングアップを行っていく予定です。

合成生物学による新たな可能性

ファーメランタの技術は、合成生物学を用いて、植物由来の物質を効率的に生産するものです。具体的には、大腸菌内において複数の遺伝子を組み合わせ、植物の二次代謝産物を生産可能な経路を作り出しています。この技術により、従来の農業的手法に比べ、低コストで医薬品や健康食品などの原料供給が可能になります。

CEOのコメント

代表取締役 CEOの柊崎庄吾氏は、今回の資金調達について深く感謝し、グローバルな市場に挑戦するための基盤を整えていく意向を示しました。また、バイオものづくりの未来についても言及し、この分野は近い将来において製造業の大部分を占める可能性があると説明しました。サプライチェーンの安全保障や、地球規模の課題解決へ向けて、ファーメランタの技術が寄与することを期待しています。

投資家からの期待

投資側からもファーメランタの技術に期待が寄せられています。Beyond Next Ventures、Angel Bridge、Plug and Play Japanなどの企業がファーメランタの革新技術に注目し、その成長を支援する意向を示しています。合成生物学分野では、アメリカなどで大規模なスタートアップが台頭していますが、ファーメランタは日本での革新的技術によって、同様の道を歩むポテンシャルを秘めていると評価されています。