少子化時代に挑む保育士不足への新たなアプローチ
近年、日本は深刻な保育士不足と少子化問題に直面しています。
この課題に真剣に取り組んでいるのが、こどものまち株式会社です。愛知県名古屋市に本社を置くこの会社は、保育士の処遇改善や採用コストの削減を通じて、持続可能な保育経営を目指しています。
保育士不足の背景
保育士が働きたいと思える環境の重要性は、今や多くの保育園で認識されています。選ばれる園へとシフトすることが求められている一方、採用コストが膨れ上がり、運営資金の確保が難しくなっています。人材紹介会社や有料求人媒体への依存が現場の運営に影響を与えているのです。
採用コストの現状
ここで注目すべきは、いかにして採用コストを削減できるかという点です。一般的な採用方法には次のようなものがあります:
- - 求人広告: 15万~130万円/1回 反響は媒体や掲載期間に依存。
- - 人材紹介: 年収の30~50%(約120万~250万円)/1人 超高コストで即戦力採用に強いが、エージェントとの関係が重要。
- - 就職フェア: 5万~50万円/回 多くの求職者との接点を得られますが、参加者の質にはばらつきがある。
コスト削減に向けた施策
こどものまち株式会社では、コスト管理の最適化と職場環境の向上を図るため、さまざまな取り組みを行っています。
1. ダイレクトリクルーティングの強化
Z世代をターゲットに、自社採用ページの刷新を行い、SNS、特にInstagramを用いて保育園の魅力を積極的に発信しています。これにより、採用単価を抑えるとともに、応募者との距離を短縮しています。
2. 職場環境の向上
保育士が「わたしらしく」働ける環境を提供するために、ネイルOKやヘアカラー自由を導入しました。また、短時間正社員の制度を設け、柔軟な働き方を支援しています。このように、働きやすさを追求することで、定着率の向上を図っています。
3. コスト削減による経営効率化
業者の見直しやコストの一本化を進め、経営効率化を実現。また、再利用することで資源の無駄を省き、保育士の処遇改善にも還元しています。
保育サービスの質の向上
保育の質を向上させるため、以下の施策を進めています。
1. 小学校を見据えた学習プログラム
小学校入学を見据えたカリキュラムや、グローバル教育を導入しており、子どもたちに多様な学びの機会を提供しています。
2. 保護者支援のための新サービス
オムツやエプロンのサブスクリプションサービスを導入し、保護者の負担軽減を図っています。これにより、保護者も使いやすく、安心感を得られるよう配慮されています。
3. SNSを活用した情報発信
日々の保育の様子やイベントをInstagramで発信。保護者が園の雰囲気を感じやすくする取り組みも行っています。
持続可能な保育経営を目指して
少子化が進む現代において、保育園の経営環境は厳しい状況にあります。特色あるサービスを提供し、地域ニーズに応じた保育を行うことで、園児の確保を目指しています。他社には負けない職場環境の改善を通じて、保育士が楽しく働ける職場を築くことが、持続可能な経営基盤に繋がります。
今後も「変化対応型スピード経営」を実践し、地域のニーズに応える柔軟な保育サービスを提供していく方針です。
代表の著書
代表の山田清隆氏は、著書《保育士を捨てるなKindle版》も執筆。彼の経験を元に保育士の労働環境の改善と、働き方の変革を説いています。
会社概要
こどものまち株式会社
設立: 2012年8月30日
所在地: 愛知県名古屋市北区大曽根2丁目8-26 エステイト大曽根 7階
事業内容: 認可保育園の運営
URL:
公式サイト
このように、こどものまち株式会社は、少子化と保育士不足という難題に取り組みながら、地域に必要不可欠な存在として、引き続き努力を続けていくことでしょう。