冨士ダイスが電気化学用高性能電極でモノづくり部品大賞受賞

冨士ダイスが電気化学用高性能電極「PME」で受賞

冨士ダイス株式会社が開発した電気化学反応用の高性能電極「PME」が、2025年に開催される「超モノづくり部品大賞」で「生活・社会課題ソリューション関連部品賞」を受賞しました。この受賞は、12月11日（木）に東京の大手町にある経団連会館で行われる贈賞式で正式に発表される予定です。

この賞は、日本のモノづくりの競争力を向上させる部品や素材を評価し、優れた技術を持つ部品が表彰されるものです。冨士ダイスの「PME」は、特に水素製造において重要な役割を果たすことが期待されています。

PMEの特長

この高性能電極は、水の電気分解に使用され、水素を生成するための装置に利用されます。冨士ダイスが開発したこの電極は、従来のものに比べて必要な消費電力を10%から20%削減することが可能です。これはカーボンニュートラルの実現に寄与するもので、環境負荷を低減することが見込まれています。

また、この触媒電極は貴金属を使わないカルシウム、銅、鉄の酸化物から成り立っており、よりコストエフェクティブな素材選定がなされています。これにより、持続可能なエネルギー生産への道を開くことが期待されています。

開発の背景

「PME」の開発は、冨士ダイスがもともと持つ高圧工具の製造技術から発想を得たものです。「超高圧発生技術」を応用することで、新たに触媒を作ることができるのではないかというアイデアから始まりました。この製品は、同社のコア技術である粉末冶金技術を活用し、独自に開発した高性能触媒を電極内に組み込むことで、従来の製品を上回る性能を実現しています。

未来への展望

冨士ダイスのこの新製品は、現在装置メーカーでのテスト段階にあり、2027年度の製品化を目指しています。この製品は、超硬耐摩耗工具を専門とする冨士ダイスにとって、新たな挑戦であり、他の事業分野への進出を意味します。また、同社は超硬合金製の耐摩耗工具や金型だけでなく、新しい素材の開発にも力を入れており、革新的な製品を通じて人々に感動体験を提供することを目指しています。

詳しい情報やリーフレットについては、以下のリンクをご覧ください。
冨士ダイスの公式サイト