モルフォの「SoftNeuro」がR-Car V4Hに対応
株式会社モルフォは、このたび自社開発したディープラーニング推論エンジン「SoftNeuro®」が、ルネサスエレクトロニクスの車載用SoC「R-Car V4H」のAIアクセラレーターに対応したことを発表しました。この技術革新により、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)など、高速性と省メモリを求められる車載AI分野における開発が一層加速することが期待されます。
自動運転技術の進化
近年、自動運転やADAS市場は急速に拡大しています。この成長は、車載カメラやセンサーから得られるデータをリアルタイムで処理するエッジAI技術の重要性を高めています。特に、車載分野ではAI推論処理を担うSoC(System-on-a-Chip)の利用が不可欠です。しかし、各ベンダーによってAIアクセラレーターの設計思想やアーキテクチャが異なるため、開発には高い専門性が求められ、結果としてコスト増や開発期間の長期化を招く要因となっています。
SoftNeuroの特徴
モルフォの「SoftNeuro」は、軽量でありながら、高速な推論処理が可能です。以下はその主な特長です。
- - 複数アーキテクチャへの対応: CPU、GPU、専用AIチップでの高速動作が可能です。
- - 汎用的なモデル形式のサポート: TensorFlowやONNXなどに対応し、既存モデルの実装が容易です。
- - ポータビリティ: 複数のSoCのAIアクセラレータに対応しており、他社のSoCへの移植もスムーズです。
この度のR-Car V4Hへの対応は、2021年12月に発表された同じくルネサスの「R-Car V3H1」への対応に続くものです。これによって、次世代の車載エッジAIプラットフォームにおいてもGoodNeuroはさらなる進化を遂げることが証明されています。
ルネサスとの連携強化
モルフォは、ルネサスのR-Carコンソーシアムのプロアクティブパートナーとして、今回の技術協力によってSoftNeuroをR-Car V4Hに対応させました。今後も、両社の連携を強化し、車載やモビリティ分野に特化したソリューションの開発・市場投入を促進していく方針です。
将来への展望
モルフォは、今後もAI推論エンジン「SoftNeuro」の対応プラットフォームを拡大し、車載分野におけるAI実装の効率化を進めていく予定です。この新たな対応を通じて、開発の柔軟性を高め、多様なAI活用の可能性を広げ、自動運転やADASを含む先進モビリティ社会の実現に貢献することを目指しています。
モルフォについて
株式会社モルフォは、画像処理およびAI技術の研究開発を専門とする企業です。国内外のスマートフォンや半導体メーカー向けに、高度な画像処理ソフトウェアを展開しており、AIによる画像認識技術を活用して、自動運転や産業IoTなどの分野への導入を進めています。所在地は東京都千代田区神田錦町、設立は2004年、資本金は約18億円です。
詳細な情報は、
モルフォの公式ウェブサイトをご覧ください。