西陣織の触れ合いが生むアート『ひゅらん。』
岡本織物株式会社が制作したタペストリー『ひゅらん。』は、京都・西陣の昔ながらの技術「引箔」を駆使して創り出された、独自のアート作品です。この新作は、2025年に開催される大阪・関西万博「EXPOメッセWASSE」および「TOKYO TEXTILE SCOPE」で初めて展示され、多くの訪問者の目を引くことでしょう。
『ひゅらん。』の独自性
『ひゅらん。』は、マンガのコマや余白、時間の流れを織物にすることで、視覚的に表現した作品です。約250cm×140cmの大きさを誇るこのタペストリーには、絹と箔を使った多層構造が施されており、物語の断片を静かに語り直感的に伝えます。光の反射による表情の変化は、見る人に新たな発見をもたらします。
クリエイター「ぐらにゅーとー」とのコラボレーション
本作は、京都を拠点に活動する10代の若手クリエイターたちから成るユニット「ぐらにゅーとー」とのコラボレーションによって生み出されました。彼らの作品は詩的な世界観と繊細な構成力が特徴で、『ひゅらん。』では「夢の中で光を追うふたりの物語」をテーマにしています。その過程は、世代を越えた共創の姿を示しています。
西陣織「引箔」の技術
岡本織物は、職人の手による手織りと力織機を用いて、西陣織の伝統技術を大切に守り続けています。その中でも「引箔」は、光と奥行きを引き出す技法として、限られた職人のみが扱える特別な技術です。これは、紙に箔を貼り、それを細く裁断したものを絹糸とともに織り込むことで実現されます。この技術が生み出されるのは、西陣織の制作現場における職人たちの技術と情熱によるものです。
展示会の詳細
- - 展示名称: 未来航路 - 20XX年を目指す中小企業の挑戦の旅
- - 会場: 大阪・関西万博「EXPOメッセWASSE」
- - 期間: 2025年10月3日(金)〜10月7日(火)
もう1つの展示会であるTOKYO TEXTILE SCOPEの詳細もご紹介します。
- - 展示名称: TOKYO TEXTILE SCOPE
- - 会場: 東京都立産業貿易センター浜松町館5FB-118
- - 期間: 2025年11月12日(水)〜14日(金)
岡本織物について
岡本織物は1909年に創業し、「西陣岡本」として知られています。神社仏閣に向けた金襴織物を中心に、手織りと力織機による製織を行っています。伝統技術を守りつつ、現代のアートとの融合に挑戦しています。
詳細情報は、
岡本織物の公式サイトや、Instagram(
@nishijin.okamoto)をご覧ください。
ぐらにゅーとーについて
ぐらにゅーとーは、京都出身の「こうのしん」と「めたぼ」のクリエイティブユニットです。二人は裁断したての引箔を持ち、西陣の職人たちへのインタビューを通して、制作工程や技術の奥深さを探求しています。また、西陣の織物制作は分業制であり、一枚の布が完成するまでには多くの職人の労力が注がれています。
職人たちの声を通じて、彼らの技術や創造性に触れ、ぜひ会場でその作品を直接ご覧いただきたいと思います。