生成AIアシスタントの導入背景
カサナレ株式会社が開発した生成AIアシスタントが、三菱UFJ信託銀行に本格導入され、その効果が期待されています。この導入は、情報検索の非効率が課題であった同銀行のリテール事務領域の改善を目指しています。
三菱UFJ信託銀行の課題
三菱UFJ信託銀行では、全国の営業店から寄せられる年間12,000件以上の事務関連問い合わせがあり、膨大なマニュアルや資料の中から必要な情報を探し出すことが非常に難しいという状況が続いていました。この課題に対処するために、カサナレのAIアシスタントが導入されることとなったのです。
AIアシスタントの実証導入と成果
実証導入の結果、情報検索や問い合わせ対応の効率が大幅に向上し、新人教育や属人化していた知識の共有も促進されました。三菱UFJ信託銀行では、この成果を受けて、2025年8月27日から本格導入が決定。
具体的には、約2,000人が常時利用し、年間で約65,000時間の業務時間創出効果が期待されるとのことです。このような効率化は、社員の自律的な問題解決力の強化にも寄与しています。
生成AIアシスタントの特徴
導入されたAIアシスタントにはいくつかの特徴があります。まず、複雑なマニュアルを正しく解釈できる能力が備わっています。また、利用ログをもとに、回答精度の継続的な改善が行える仕組みが実装されています。
特筆すべきは、カサナレが独自に開発した仕組みにより、約10カ月という短期間で現場で運用できる水準に到達した点です。利用の促進においては、社内での愛称「ASSIST」を設け、教育施策と連携しながら進められています。
今後の展望と課題
カサナレは、今後さらなるドキュメント管理のプロジェクトに着手する意向を示しています。このプロジェクトから得られる知見を活かし、社内デジタルトランスフォーメーションや専門文書を扱う部署への展開も進める予定です。継続的な精度改善を通じて、AIが単なる道具ではなく、成長を続ける存在として位置づけられることも目指しています。
カサナレ株式会社について
カサナレ株式会社は、企業業務の効率化を目指して生成AIソフトウェア「Kasanare」を開発・運用しています。企業が持つデータを活用し、さまざまな業務を自動化することにより、企業の運用負担を軽減しています。独自技術に基づき、セキュリティや対応言語の多様性を確保しつつ、顧客ニーズに応じたカスタマイズが可能です。
この技術の進化と展開は、企業の成長を支える重要な要素となるでしょう。