直木賞作家・河﨑秋子の新作『銀色のステイヤー』が登場
河﨑秋子氏の最新長編小説『銀色のステイヤー』が、2024年7月31日に公開されます。本作は、直木賞を受賞した『ともぐい』で描かれた猟師と熊との死闘とは一転、競走馬を中心にした物語で、廣報にふさわしい波乱の日常とクライマックスの爽やかさが印象的です。
競走馬を通して描かれる人間模様
『銀色のステイヤー』は、サラブレッドの「シルバーファーン」を中心に、さまざまな人々の思いを描いています。著者はかつて『颶風の王』という作品において馬を題材にし、2015年度のJRA賞馬事文化賞を受賞した実績があります。そのため、競馬界との繋がりを持ち、今回は生産馬牧場や厩舎、調教師、競馬関係者への取材を背景に執筆されました。
競馬に詳しくない人でも、物語を通して馬と過ごす日々の魅力を感じることができます。仕事への誇り、相手を信じることの大切さ、勝負に向けた情熱、そしてレースの興奮に胸が熱くなる瞬間が描かれています。
先行レビュアーたちの絶賛
書店員たちからも早くもコメントが寄せられています。「一頭の馬を巡るそれぞれの真剣な思いがじんわりと伝わってくる」をはじめ、リアルな馬の世界が感じられる作品として、今までの競馬作品とは一線を画しています。また、登場人物たちの情熱や葛藤が織り交ぜられた物語は、まさに心を揺さぶるものでしょう。彼らの感動を聞くだけでも、今作への期待が高まります。
あらすじとテーマ
「銀色のステイヤー」は、非凡な力を秘めつつ性格に難を抱える競走馬・シルバーファーンが、巡り会う人々の運命を変えていく過程を描きます。北海道・日高の牧場で生まれたシルバーファーンは、「幻の三冠馬」と呼ばれた父馬の血を引いています。彼を取り巻く人々は、競走馬にまつわるさまざまな悩みや期待を抱えながら、ファーンとの関わりを通じて成長していく姿が印象的です。
牧場主や調教師、騎手など多彩なキャラクターたちの背景も丁寧に描かれており、特にファーンとの絆が人々の心をどう変えるかに焦点が当てられています。物語はレースを通じて彼らの感情が交錯し、ドキドキする展開へと続いていくことでしょう。
最後に
河﨑秋子氏が届ける『銀色のステイヤー』は、人間と馬との絆をテーマにした心温まる物語です。著者自身が寄せたメッセージにもあるように、馬たちが人の心を豊かにし、時には人生を変える力を持っていることを教えてくれます。深い感動を与えるこの作品は、競馬ファンのみならず、誰もが楽しめる一冊です。発売に先立ち、多くの読者がこの作品で心を打たれることでしょう。
書誌情報
- - 作品名: 銀色のステイヤー
- - 著者名: 河﨑秋子
- - 発売日: 2024年7月31日(水)
- - 定価: 1,870円(本体1,700円+税)
- - 頁数: 320頁
- - 体裁: 四六判並製単行本
- - 装丁: 池田進吾(next door design)
- - ISBN: 9784041141700
- - 発行: 株式会社KADOKAWA
- - 初出: 「小説 野性時代」2023年5月号~24年3月号
詳細は
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