伝統技術「大阪欄間アート」が豪華客船「飛鳥III」に採用
近年、伝統工芸が現代のアートシーンにおいて新たな価値を見出している中、400年以上の歴史を持つ日本の「大阪欄間」が具体的な成果をあげました。株式会社岡本銘木店が手がける「大阪欄間アート」が、2025年7月に就航した豪華客船「飛鳥III」の客室に採用されたのです。この取り組みは、単に古風な工芸の維持だけでなく、伝統と現代の融合を目指したアートプロジェクトの一環として注目されています。
大阪欄間アートの誕生背景
大阪欄間は、江戸時代から続く伝統的木工芸であり、その精巧な彫刻技術で多くの人々を魅了してきました。しかし、時代の流れとともに住宅様式やライフスタイルが変化するにつれ、欄間の需要は次第に減少していきました。この状況を乗り越えるため、岡本銘木店は美術作家・西舘朋央氏と共に、伝統技術をアートとして昇華させる「大阪欄間アート」の開発を開始しました。
この新たなアプローチは、古き良き伝統を守ることはもちろん、現代の生活や空間に調和させた新しい形を提案することを目指しています。こうした取り組みが、地域文化を再発見するきっかけとなり、日本の木工芸の魅力を国内外に広める役割を果たしています。
飛鳥IIIでの展示とメディア展開
「飛鳥III」では、全国47都道府県を代表するアート作品を客室に展示する「ASUKAIII meets 47都道府県」プロジェクトが進行中です。この一環として、大阪府の代表として選ばれた「大阪欄間アート」は、同船の「ミッドシップスイート」客室に展示されており、国内外の乗客に向けて日本の伝統美を発信しています。
「飛鳥III」内での展示に加えて、メディア展開も進められ、2025年8月16日にはBS朝日でCMが放送される予定です。このCMは、「世界の船旅」と「飛鳥物語」の間に放映されるため、多くの視聴者に中国文化の魅力を紹介する絶好の機会となります。
空港・万博・EC展開──伝統工芸の未来を切り拓く
さらに、「大阪欄間アート」は、関西国際空港ラウンジおよび大阪・関西万博でも展示されることで、さらなる認知度向上が期待されています。また、岡本銘木店の公式サイトや「飛鳥III」のECサイトを通じて一般向けの販売も予定されており、伝統工芸を日常に取り入れる新たな提案が行われます。
これらの取り組みは、地方の伝統工芸への関心を高めるだけでなく、国内外の多様な層に向けて日本の木工芸文化を広めることが狙いです。今後も業界関係者や美術、インテリア分野の消費者に向けて情報発信を強化し、伝統と現代の融合した新しい文化創造に貢献することを目指しています。
お問い合わせと今後の予定
「大阪欄間アート」に関する詳細は、株式会社岡本銘木店の公式サイトでご確認いただけます。展示の他、OBブログやInstagramでも最新情報を発信しています。これからの伝統工芸は、どのように進化していくのか、私たちも楽しみです。
岡本銘木店 公式サイト
[^1]: この内容は発表時点の情報であり、変更される可能性があります。